「UNDAUNTED:ノルマンディー・プラス」をプレイしてみました

 結局は、まずこちらから。「一の谷の戦い」はマップから全て出来たのですが印刷と加工が必要なので、また今度。

 このゲームはノルマンディのオマハビーチにに6/10に上陸したアメリカ第30歩兵師団をモデルにしていてシナリオもそれに沿っています。

 基本シナリオ12本は次のような内容です。ヴィル・エ・トーテ運河への突進(1~5)、サン・ロー突破(6~7)、テッシー・シュル・ヴィルの戦い(8)、モルタンの反撃(9~12)です。追加シナリオは、このうちのモルタンの反撃の時のもので枝番としては10に1~4が振られています。つまり101~104です。とはいえマップやユニットは汎用なので自分でシナリオを作ることは可能です。

 とりあえず、基本ルールのシナリオ1「ラ・レイエ」(1944年6月15日)をプレイしてみました。78年前の二昨日です。マップは以下のように並べます。正方形を交互なので、要はヘクスマップです。昔エクセルでヘクスマップを作ったときにやったあれです。

シナリオ1のマップ

 各タイルには右下にタイル番号、下中央に地形の防御値、後は特にプレイに影響がない絵が描かれています。多分、8Aとかに書かれている畑の周りに木が生えているのがボカージュ地形なのでしょう。防御値が2ですね。森は防御値3と高いです。

 これに兵士を示す戦闘カウンターを配置します。戦闘カウンターは以下の通り。

1個小隊分の戦闘カウンター

 米独共に1個小隊分の戦闘カウンターが付いています。カウンター下の右の丸英字が分隊名、左が防御値です。上記の例ではA~C分隊の小銃兵、偵察兵、機銃兵がいて、さらに小隊付の狙撃兵、迫撃砲がいます。このように、戦闘カウンターは職種というか機能で兵士が分かれています。シナリオ1ではA、B分隊の小銃兵と偵察兵しか使いません。

 これらを以下のように初期配置します。

シナリオ1の初期配置

 タイル上の茶色い旗の形に丸数字のマーカーは勝利条件タイルとVPを表します。シナリオ1では双方とも5VP取ったら勝利です。その他、相手の小銃兵(タイルの支配ができる)がいなくなれば勝利できます。

 また、丸形の双眼鏡は「偵察」した状態を示しており、これがないタイルには小銃兵は入れません。これを配置するためには先に偵察兵を送り込み、続いて小銃兵が移動して「支配」という流れになります。四角い「全」と書かれたマーカーは増援などが登場するタイルを表しています。シナリオによっては分隊ごとに登場するタイルが異なったりします。「全」はどの分隊もここから出現することになります。

 次にアクションカードです。以下のようなものがあります。

アクションカード

 もう一度書きますが、これはアクションカードです。なんか人名が書いてありますが、全く意味がありません。私はこれはちょっとどうかなと思っています。最初見た時、他の戦術級カードゲームのようにこのカードが兵士一人一人を表すのだと思っていました。でも違います。ここで重要なのは左上のイニシアチブ値、下の分隊番号(兵種の左の丸英文字)と兵種、そして下の可能なアクションだけです。

 もしかしたら、このカードを見てカード1枚が兵士1人を表しているゲームなんだと勘違いして購入した人がいるかもしれません。そうなると、景品表示法とかに引っかかりそうな気がします。

 

 さて気を取り直してゲームを始めます。

 プレイはすごく簡単です。フェイズはドローフェイズ(各自カードを4枚引く)、イニシアチブフェイズ(引いたカードから1枚ずつ裏向きに出して同時公開。大きい方がイニシアチブを取ります。同数なら前ターンと同じです)、プレイフェイズ(残った手持ち3枚をプレイします)。プレイフェイズはイニシアチブを取った方が手札3枚プレイし、次に相手が3枚プレイします。

 カードには「戦闘カード」、「指揮官カード(上図の小隊軍曹とか指導軍曹)」、そしてお邪魔虫の「戦場の霧カード」があります。「戦場の霧カード」は役に立ちません。未偵察タイルを偵察するとデッキに入ってきて、偵察兵でアクションするとデッキから永久除去されます。

 シナリオごとに使うカードが初期デッキ用とサプライ(増援用)に分かれて書かれています。指揮官が増援アクションをするとサプライからデッキに追加されるようになっています。そして、戦闘の結果でデッキから戦闘カードが除去(永遠に)されます。所謂デッキビルド型です。

 こんな風に配置します。裏返っているのがデッキ、表を見せているのがサプライです。サプライは種類ごとに分けておきます。

カードの配置

 さてプレイ開始。ドローフェイズでは以下のカードが引かれました。テストなので見せていますが、本当は相手に見せません。ドイツ軍はさっそくお邪魔虫カードをひいています。

ドローした手札

 まずはイニシアチブフェイズです。下図のカードを出しました。主導権はアメリカ軍になります(同じなのでシナリオ指定の方)。

イニシアチブ決定(アメリカ軍)

 無理やり言えばジョン・ハリスが相手を先に見つけたのでしょう・・・。

 アメリカ軍のプレイです。まず、自分がいるところは「偵察」状態ですが「支配」状態ではないのでA分隊の小銃兵を使って支配にします。

タイル17Bの支配

 次に小銃兵Bカードで小銃兵Bカウンターを右隣りのタイルに移動します。そして小隊軍曹カードの指揮アクションで2枚手札をデッキから引きます。以下のカードが来ました。

指揮アクションで手札に追加したカード

 ジャック・サリヴァン軍曹が「A分隊長!こっちへ来い!」とか言ったのでしょうか。そして新たに来た偵察兵で13B→16Bと偵察していきます。「偵察」アクションの次の黒丸数字が移動可能なタイル数です。そして、13B、16Bに「偵察」マーカーを配置し、「戦場の霧」カードをサプライから2枚捨て札に加えます。アメリカ軍は攻撃側なので、基本的にドンドン偵察しないといけませんが、ドンドンお邪魔虫カードが増えていきます。

エドワード・ウイルソンの偵察行

 A分隊長は「増援」アクションでサプライからA分隊の小銃兵2枚を捨て札に追加して終了です。プレイエリアに出したカードは全て捨て札です。手持ちはありません。

 次はドイツ軍です。A偵察兵、A小銃兵をタイル12Bに移動させます。手札で残っているのは「戦場の霧」カードなので後は何もできません。全部捨て札して終了です。

第1ターンのドイツ軍の移動結果

 さて、時は流れ・・・、戦闘についてです。下図ではドイツ軍のB分隊の小銃兵がタイル12Bからタイル17Bの森にいるアメリカ軍A分隊の小銃兵に射撃しています。

 小銃兵の防御値4+地形防御値3+距離1で8以上出ないと損害無しですが、9が出ました。ちなみに0は必ずヒットです。

 損害は、手札or捨て札orデッキから損害を受けた分隊・兵種のカードを1枚永遠除去します。サプライからは除去しません。ない場合は戦闘カウンターが除去されます。とはいえ、「増援」でその分隊・兵種カードをサプライからデッキに入れ、それを手札としてプレイすることで再登場可能です。サプライには1枚残しておいた方がいいかもしれません。

戦闘の状況(ドイツ軍の射撃で9が出た)

 ちなみにさらに時が流れ・・・タイル13Bにいたアメリカ軍A分隊小銃兵は一度除去されました・・・。

アメリカ軍A分隊小銃兵が除去された

 ちなみに除去されてもタイル13Bのアメリカ軍支配は残ります。これを覆すためには、アメリカ軍がいない状態でドイツ軍が「支配」アクションを2回しないといけません(1回で「偵察」にし、もう1回で除去)。

 

 そしてさらに時は流れ・・・、最終的にはアメリカ軍が5VP支配して勝利です。

アメリカ軍の勝利で終了

 そして屍の山・・・負傷かもしれませんが。

両軍のKIA

 プレイは1時間半ぐらいでした。慣れもあるでしょうか。「戦場の霧」カードが増えまくって、イニシアチブフェイズで両軍とも「戦場の霧」対決していました。

 ドイツ軍は少しまとまりすぎたでしょうか。もっと広くばらけた方がよかったかもしれません。一方アメリカ軍は、近くに勝利条件タイルがあることもありますが、偵察→支配がうまくいったようです。除去されたA分隊小銃兵のカウンターも無事にプレイに戻り、さらにそれが決定打の勝利条件タイル支配に使われていました。

 簡易ですが案外奥が深そうです。それにしても移動しても臨機射撃が飛んでこないのはとてもうれしい。

 

 気になる点としては、どこに誰がいるかわかっているので、特に偵察しなくても攻撃可能なことです。もちろん距離があるとヒットは難しいですが。ASLをやっているとやたらLOSとか隠蔽とか厳しいので・・・。一応丘タイルは高さ優位がありますがLOSは関係ない。

 

 追加ルールで使うカウンターシートとカードです。カードはアクションカードより一回り大きいものですが、まだ追加ルールを読んでいないので何に使うか不明です。

追加ルールで使うもの

 シャーマン、スチュアート、パンター、IV号・・・萌える。