『ARBELA:GAUGAMELA 331BC』(Turning Point Simulation)

 『ARBELA』はリチャード・バーグがデザインしたカードゲームです。タイトルのアルベラは、ガウガメラと思われる戦場から約30km程の所にある街だそうで、ほとんどランドマークがないのでガウガメラの別称としてアルベラが使われることがあります。

 『ARBELA』はボックス入りですが、なんというか、ボックスがユニットトレーではないかという気がします。一つの枠の中にカードは収まらないので、完全に上げ底です。一応マーカーは付いていますが・・・。

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上げ底なボックスとマーカーシート、カード(青がマケドニア、赤がペルシア)

 前に紹介した『Sun of York』(Make Nagelデザイン)は20シナリオありましたが、こちらはガウガメラの戦い一択です。また、メインの戦場となるエリアは『Sun of York』は3×3の9エリアでしたが、こちらは横7×縦5の35エリア(セクションと呼びます)。無茶苦茶スペースを取ります。

 カードはマケドニア軍が31枚(内リーダー3枚)、ペルシア軍が51枚(内リーダー3枚)です。これらはすべて戦闘ユニットです。『Sun of York』のようにオーダーに使うカードはありません。オーダーは各リーダーに1つずつあり、さらに総指揮官がダイスを振って追加オーダー数を決めます。マケドニア軍は1ターンに3~6オーダー、ペルシア軍は2~4オーダーをセクションに与えることができます。セクション内のスタック全てを1オーダーによって動かせます。

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マケドニア軍カードサンプル

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ペルシア軍カードサンプル

 カードには向きがあり、4辺に「攻撃力/防御力」が書かれています。また左上に正面と左右斜めへの移動力が書いてあります。右下の白い四角は射撃によるヒットマーカーを置く場所で、右側のヒット数になると除去されます。白兵戦では混乱(カード裏返し)や除去の結果があります。

 さて、以下が初期配置です。マケドニア軍は左翼の2セクションの初期配置はありません。ちょっとリーダーがはみ出していますが、実際は配置行に戦闘ユニットと一緒にいます。なお、行(縦)・列(横)の表記をしていますが、あまりいい表記ではないと思っています。

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行・列と初期配置

 ターンシーケンスは①混乱ユニットの回復と予備から配置行への移動、②オーダー決定、③リーダー移動、④オーダーを発令したセクションのアクションで、ペルシア軍、マケドニア軍の順番で行います。ちなみに、デザイナーがリチャード・バーグですので、あのルールがあります。そう、ターンの奪取(Seizure)。あんたも好きねぇ。相手ターンの時、いつでも宣言できます。成功すれば即座に相手ターン終了(移動中とかでも)。失敗すれば相手に追加1オーダーに白兵戦-1DRMが付きます。連続奪取は不可です。

 第1ターンはペルシア軍からです。特別ルールによりオーダーは固定の3。取り合えず、配置行にスタック制限一杯の3ユニットまで騎兵を追加で配置します。ペルシア軍らしく、まず中央は戦象を先行させ、両翼から騎兵を投入。戦象は暴れまわると危険なので、さっさとマケドニア軍の陣地に突入させます。まあ、正面移動力は2ですので2セクションつまり戦闘行までしか行けませんが。

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第1ターンのペルシア軍の移動(配置行から前進行を通過し戦闘行へ)

 対するマケドニア軍は、第1ターンは左翼列と左2列に配置できない特別ルールがありますので、それ以外をスタック制限一杯まで配置します。両翼に騎兵、中央は重装歩兵です。

 アクションは前進行に移動しました。戦象がいるので左1列は戦闘行に突出しません。中央列の2枚の下は散兵ユニットなので、戦象に射撃できます。

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第1ターン マケドニア軍左翼の移動

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散兵ユニットの射撃結果

 2Dの合計が8に戦象の装甲値(カード右上の白丸)を引いた値が散兵のヒット値6~12以内なので1ヒット被ります。

 一方、マケドニア軍右翼ではアレクサンドロスがヘタイロイを引き連れ前進します。前方の戦闘行にはベッサス率いるスキタイ重騎兵がいます。セクションに敵がいる場合は入れません。なので、アレクサンドロスは前進行で止まり白兵戦を行います。白兵戦では両軍が1D振り、攻撃力や防御力、リーダーの防御力、ヒット数などの修正をしてから比較します。大きい方が勝ちです。今回の例では、マケドニア軍は出目4+ユニットの攻撃力4で8、ペルシア軍は出目2+ユニットの防御力3+ベッサスの防御力1で6。マケドニア軍の勝ちです。修正結果が相手の1/2以下なら除去ですが、今回は8と6なのでスキタイ重騎兵が混乱(裏返し)します。

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第1ターン マケドニア軍右翼の白兵戦

 白兵戦に関与したリーダーは死傷チェックをします。アレクサンドロスは2Dで2が出れば、ベッサスは12が出れば討ち死にしますが、今回はどちらも成功しました。

 次はペルシア軍の第2ターンです。

 と、こんな感じで進めていきます。勝利条件は相手の前進行にユニットを入れることですが、面白いのは、限定的勝利が4セクション、戦略的勝利が5セクション、決定的勝利が全て(7セクション)の占領で、4セクション占領した時(限定的勝利)にさらに続けるかどうか決めることができます。つまり花札の「こいこい」です。その勝利で満足するか、より大きな勝利を目指して「こいこい」するか。「こいこい」すればゲームは続きます。かくしてどちらかが勝利宣言するか、夕飯の時間になれば終了です(ルールブックに書いてある)。

 さて、今回のゲームを進めました。ペルシア軍は戦象が暴れまわって自軍の軽騎兵を蹂躙(側面からの白兵戦攻撃で混乱させた)したり、アレクサンドロスが混乱したスキタイ重騎兵を除去したりとマケドニア軍が優勢で進んでいました。スキタイ重騎兵とスタックしていたベッサスは死傷チェックに生き残って後退します。

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戦象の迷惑な暴れまわり

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第3ターンのマケドニア軍の攻勢(アレクサンドロス討ち死に)

 ここで、アレクサンドロスの死傷チェックで2Dを振って2・・・。アレクサンドロス大王討ち死に・・・。マジか・・・。かくして、ガウガメラの戦場にダレイオスの高笑いが響きました。

 

(追記)アレクサンドロスが討ち死にしたらサドンデスです。一方、ダレイオスが死んでもサドンデスにはなりません。これはペルシアには後継者がいたが、マケドニアにはいなかったことを示しているのかもしれません。まさに、安彦良和先生の「アレクサンドロス」のセリフの通り「東方も西方ももない。巨きな夢に身を委ねて生き切った人。そんな人の偉業をいったい誰が受け継げるというのか!」という事なのでしょう。

 

 このゲーム、やっぱりマップが欲しい所ですね。だんだん置き場所がわかりにくくなってしまいます。

 本来ですと、一番上のカードと射撃したカードのみ表にして配置行に置きます。フリーセットアップシナリオもありますので、これで戦場の霧を表しているのですね。今回はソロプレイなので全部表にしてあります。

 配置行以外は基本1セクションに1ユニット+散兵+リーダーなので、戦況は押し合いへし合いになります。数の多いペルシア軍が有利な気もしますが、やはり戦闘ではマケドニア軍が強いです。また、オーダー数もマケドニア軍の方が多いので、全体として優勢になると思います。まあ、アレクサンドロスが討ち死にしなければ・・・。

 

 『ARBELA』にははがきゲーム『ALESIA』が付いていました。LPSポケットバトルシリーズで#17だとか。向こうでもはがきゲームが流行っているのでしょうか。裏面にルールがびっちり小さい文字で書いてあったので、まだ訳していません。

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おまけゲーム『ALESIA』