ブル・ランの戦い

 タクテクス15号についてきた練習用ゲーム「ブル・ランの戦い」は第一次ブル・ランの戦いをシミュレートしています。この戦いは、南北戦争最初の大規模戦闘ですが、モルトケが「武器を持った民間人の群れが荒野で追いかけっこ」と称したといわれるレベルの物でした。とはいえ、一応は士官学校を出た将軍が指揮していましたので、それなりの戦術を取ってはいたのです。北軍は北から迂回し片翼包囲を狙いました。けど、迂回し過ぎて兵が疲れたのが問題だったのかもしれません。それに退却する道が川を渡る一本の橋だったという事で、ケネス・ギルフォードが「後退の場合を考えずに戦いのみを求めてどうするのか?」と言ったように、ここを破壊された時に被害が大きくなったのでした。

 

 さて、このゲームも自作ユニットを貰いました。マップは昔使っていたやつです。雑誌に掲載されているものは、マップの一部が重なっていましたが、合わせやすいようにギザギザにしています。我ながらよくやるなぁ。

昔使っていたマップ

 ちなみに自作ユニットも出てきました。コピーした紙の表裏にセロテープで補強と厚みを付けたものです。さすがに汚れています。

昔使っていた自作ユニット

 よく見ると北軍は青く塗られています。なんだか古墳の石室に残った壁画の塗料を見るような気になります。我ながらよくやるなぁ。

 まあ、さすがにこれよりも貰った自作ユニットの方が厚みも綺麗さもいいので、そちらを使います。

 

 このゲームの特徴は、コマンドコントロールです。軍司令部と師団司令部ユニットがあり、この周囲6ヘクスにいないと指揮範囲外として移動不可です。北軍は軍司令部1つ、師団司令部4つありますが、師団司令部も軍司令部の指揮範囲内にいないといけません。ただし、ユニットに横バーが付いているものは指揮範囲外でも独自に動けます。・・・うん、つまり独断専行(わがまま)できるという事ですかね。訓令戦法と命令戦法が、まだごっちゃになっている時代を示しています。川は橋・浅瀬以外は渡河不可、ZOCも及びません。ただ、浅瀬を捜索し発見できればそのユニット(スタック)だけ川を渡れます。ところで、川を渡るコストがTECに書いてありません。うーん。まあ、コスト無しと考えました。戦闘についても川越え(浅瀬がある場合のみ)での効果が書いてないので、これも川向こうの地形効果のみと考えました。どうも、デベロップの余地が大いにあります。

 

 さて、初期配置は以下の通りです。

初期配置と史実の移動

 史実では、北軍の大部分の部隊は北へ迂回し、盤外に出てから再度マップに進入しました(太矢印)。また、助攻としてタイラーとリチャードソンが南軍正面に攻撃をかけています。

 今回は、盤外移動のルールはありませんので、北と南で攻勢をかけることにしました。ただし、軍司令部の指揮がないと動けない師団司令部が2つ(タイラー、マイルズ)ありますので、これらはまとめて軍司令部(マクダウェル)が直接指揮を執り、南の方へ進撃します。北はわがままなハンターとハインツェルマンが独自で行動します。

今回の作戦

 第1ターン。北軍の攻勢。ハインツェルマンがエヴァンズを攻撃し、あろうことか無損害で壊滅させてしまいました。このゲームでは、まず射撃を行い、防御側が後退した場合はその後退路に沿って移動し白兵戦を行えます。戦闘の解決方法は同じですが、白兵戦では地形効果がかかりません。

 一方、南側はタイラーの第一師団が攻撃をかけますが、痛み分けです。

 南軍ターン。南軍には活性化制限がありますが、これもまたよく分からないルールです。「A」がついて「いない」ユニットは非活性化状態(行動凍結状態)で10時(第5ターン)まで動けませんが、非活性化状態のユニットに北軍が接敵した場合は全ユニットが動けるという事です。「A」はアクティブの意味なんでしょうけれど、どっちかといえば非活性化状態のユニットの方にマークを付けるべきではなかろうか。

 まあ、それはそれとして、南側に多い非活性化状態のユニットに、既に北軍が攻撃をかけましたので、全ての南軍は移動できます。

 ちなみに南軍のコマンドコントロールは、軍司令部が2つだけです。とはいえ横バー付き(わがまま)なユニットが多いので、行動自体はそれほど困難ではありません。むしろ自由度が高いといえます。

 南軍は南側にわがままではない部隊が多いので、こちらに軍司令部を集中的に配置していました。一番東にいたユーエルとホームズがボーリガード(Bea)軍司令部に従って北上します。一方、北は戦線を立て直すために、わがままな部隊を北上させます。

 

 第2ターン。北軍は北での攻勢を強めるとともに、南もじりじりと損害を強要していきます。

第2ターン開始時

 一方、南軍がセンタービルに近づいています。ここが落ちるとサドンデス。慌ててマクダウェルが攻撃をしましたが、1S1R/1Sの結果。

第2ターン南軍開始時

 はい、これはアウトです。

 

 北の方では攻撃がうまくいっていたんだがなぁ。南も攻撃してあわよくば両翼包囲とか考えたのがまずかったか・・・。南軍部隊は南の方が多いので、こちらは防御に徹するべきだったか。そもそも接敵しなければ活性化できないのだから、藪をつつくべきではなかったかもしれません。

 

 プレイ中、マップが良くズレました。そういえば、昔もそうでした。裏打ちして1枚にすべきかもしれません。

 

 今回はアレな結果でしたが、もちょっとまともなプレイにできそうです。そのうちまたプレイしたいものです。現状は、オーバーロードとかもありますので、一通り貰った自作カウンターのゲームをプレイしたいと思いました。

 

 そういえば、「シェルブール攻防戦」は一般的なウォーゲーム、「ブノット・ヤコブ橋」はダイナミックな機動戦、「エプソム作戦」は諸兵科連合効果、「アイラウの戦い」は本格的なウォーゲーム、「大堡塁」は戦力ボックス方式と流血型CRT、「ブル・ランの戦い」はコマンドコントロールと、これらの一連のゲームって、いろんなゲームシステムをステップ習得方式でプレイできます。結構考えて作られているのかもしれませんね。