STRIKE-COUNTER STRIKEのお試しプレイ

 MMPのGTS(Grand Tactical Series)の情報誌「GTS Briefing Vol.1」の付録ゲーム「STRIKE-COUNTER STRIKE: 4th Armored Division vs Panzer Lehr along the Saar」の特別ルールの和訳が終わりましたので、ちょっとだけお試しプレイしてみました。

 和訳は以下の所です。

 

https://drive.google.com/file/d/1fIjoDDtAknjP5CHThqTdhC1v_Lq5GcBB/view?usp=sharing

 

 このゲームは、1944年11月のザール地方における教導装甲師団の攻撃とアメリカ第4機甲師団の反撃をテーマにしています。ちょうど「パットン第3軍」(SPI/HJ/CMJ)と重なります。

「パットン第3軍」のマップ

 STRIKE-COUNTER STRIKEのマップは以下の通り。フルマップから師団ディスプレイを抜いたサイズはフルマップの3/4です。

「STRIKE-COUNTER STRIKE」のマップ
左側に流れているのがSAAR川

 ターンは11/23の15:00から11/27の15:00で、昼間は7:00~15:00、1ターン2時間です。また夜間ターンがあります。「パットン第3軍」の16~18ターンに相当します。

 

 このシリーズは中隊規模(Tactical)で、作戦級に近い広さの戦場(Grand)ということで命名されているらしいです。なので、ボックスゲームもそこそこのお値段がします。でも「341戦闘団」に感化されていましたので、どんな感じか知りたいと思っていました。そこで、比較的安い(それでも1万円)本誌を購入してみました。まあ、値段はお高いですが、フルマップ+カウンターシート2.5枚というボックスゲームとしても遜色ない内容です。カウンターのいくつかはボックスゲームのエラッタだったりしますが。

 ちなみにVASSALモジュールも出ていますので、カウンターを切らなくでも直ぐに始められます。

 シナリオは6つあり、シナリオ1は入門用でマップの一部しか使いません。なので、システムの学習がてら少しだけ動かした感想です。

 

 GTSはチットドリブンです。で、チットは「師団活性化チット」、「フォーメーション活性化チット」、「直接指揮チット」があり、1ターンに3回の活性化が可能です。もちろん、指揮範囲にいないとダメとかの制限はあります。そして、カップに残った最後の1枚はプレイせず、次のターンの最初のチットとなります。

 ただし、師団活性化チットでは1個師団丸ごと動かせますが、戦闘は行えません。感覚としては戦略移動するためのチットと言えます。

 で、このゲームでは大体のシナリオは教導装甲師団活性化チットが第1ターンの最初のチットに指定されています。まあ、教導装甲師団の攻勢のゲームですから。そして、師団活性化チットでは移動しか行えず、さらに敵の射撃ゾーン(ZOCの様なもの)に入れません。歩兵は大体射撃ゾーンは1ヘクスですが、砲兵や戦車は数ヘクス持ちます。適切に配置すると、第1ターンの教導装甲師団の活性化時にはユニットをあまり動かせない・・・。シナリオ1は正面範囲が狭いのでなおさらでした。中央に陣取った対戦車砲の射撃ゾーンに丸っと入って、さらに左翼は装甲車が邪魔をして川がある右翼しか動かせない。研究が必要です。

 

 LOSに関しては、どうしてもASLの感覚がありますので、マップ上の森とかのフィーチャーを見るとLOSを遮っているという気になりますが、実際にはフィーチャーは関係なくヘクスの中心のドットの色で判断します。よく見るとLOSが通っていることがありました。

 同様に臨機射撃も射撃ゾーンに進入したら撃てるという感覚がありますが、実際には射撃ゾーン内でヘクスから出た時にトリガーが引かれます。なので、射撃ゾーンに進入しただけでは臨機射撃はできません。ちょっとルールを間違えたところです。

 後は疑問点としては、クレストヘクスサイドによるLOSブロックですが、クレストヘクスサイドを含むヘクスに目標ユニットや射撃ユニットがいる場合はブロックしません。この辺りはASLと同じですが、目標ユニットと射撃ユニットの間に2つのクレストヘクスサイドがあるとLOSがブロックされます。尾根を挟んで谷にいる同士ならわかりますが、逆に谷を挟んで尾根にいる同士ならLOSが通りそうなものです。ASLでは高度レベルが同じで間が谷なら通ります(煙幕とかなければ)。ううん?と思いました。

 

 細かい点はさておき、10面ダイスの使用といろいろな兵器によるCRTの違いがあるので、戦闘結果に幅が出ますが、結果自体は、ロールでヒットしたか決め(ヒットしなければ損害無し)、同じロールで1ステップロス、結束ヒット、制圧、制圧の可能性の4種類を決めるだけなので、それほど複雑ではありません。ヒットしたかどうかの判定に使う射撃値の修正は7種類ぐらい(中隊ボーナス、地形、射程距離、防御値、目標の集団性、夜とか雨とか、バッドステータスなど)ありますが、チャートに書いてあるし覚えればそれほど悩むものでもありません。

 

 案外面白いなと思いつつも、ボックスゲームの値段がなぁと思いました。D-Dayは現在イギリス軍戦区が45,000円ぐらい。ユタがプレオーダーですが、多分同じぐらいの価格、オマハはまだ出ていませんが、多分もっとするでしょう。全部集めると10万円を軽く超えます。超円高にならない限り。VASSALモジュールで見たマップはとても美しいもなのですが・・・。日本であまり紹介されないのも、この値段がネックになっているのかもしれません。ゲームとしては面白いのに・・・。