「川中島の戦い」制作順調

 マップとカウンターシートができたので、今週末にでもテストプレイをしようかと思っています。スタンダードルールは手を加えていないので、シナリオ特別ルールだけ作ればよいので楽です。マップも有名な戦いですし、平野部の戦いなので細かい地形も不要です。ユニットレーティングはSS「信玄vs謙信」を参考にしました。随分手抜きだな。

 

 川中島の戦いというと一騎打ちが有名ですが、明確に裏付ける史料はないようです。また、武田方の記録(甲陽軍鑑)では信玄は本陣の床几に座っていて、馬上の謙信が切りつけるという、ドラマで有名な状況としています。一方、上杉方では、双方馬上で川の中で切り結んでいます。屏風絵もあります。

 この上杉方の記録の方は、多分「川中島」という地名からの連想で川の中で一騎打ちしたとしたのだと思われます。そもそも、川って何処?地形を見ればわかるように、もし川の中で切りあったというなら、信玄本陣の背後の犀川しかありえません。角川映画の「天と地と」では、妻女山攻撃隊が来たのを見た謙信が信玄の本陣に切り込みますが、もぬけの殻。信玄は「戦の勝ちは六分を持ってよし」と言って海津城の方に後退しています。そこで謙信とばったり出会って切りあうのです。

 でもそれって謙信が信玄の本陣及び後衛を突き抜けて信玄を追いかけないと無理です。まあ、ありえません。後退方向(善光寺)とは逆です。つまり上杉方の記録は信用できないという事です。どこかで甲陽軍鑑の事を聞いて自分の家の記録に付け加えたのでしょう。

 さりとて甲陽軍鑑の方も、高坂弾正の話をもとにしているらしいですが、この人は妻女山攻撃隊にいたので直接見たわけでもありません。そんなわけで、本当に一騎打ちがあったかどうかは疑わしいことになります。

 最も一騎打ちした方がロマンがあります。このゲームにも入れたくなりますが、ちょっと難しいですね。