面白くて、ついNormandy44もプレイせずに読みふけってしまいました。
本書は1982年刊行(謝辞では1980年の記述になっています)なので、若干古さはありますが、兵士や民間人の証言なども豊富なので面白く読めます。パウル・カレルの「彼らは来た」はちょっとドイツ寄りですので。
前にも書きましたが、プロローグではジョン・キーガン(1934年生まれ)の小学校の頃の思い出話が書かれています。第1章は第二戦線構築までの経緯が、流れとともにその時々の主な人物に焦点をあてて書かれています。スティルウェル、ウェデマイヤー、アイゼンハワー、モロトフ、マーシャル、ブルック、モントゴメリー、ロンメルです。
そして第2章からが本番。まずは空挺降下したアメリカ軍。ジュノーのカナダ軍。エプソムのスコットランド軍・・・?まあ、ジョン・キーガンはイギリス人なので、イギリスに関することが多いのは仕方ないですね。次がグッドウッドのイギリス軍。リュティヒのドイツ軍。ファレーズ・ポケットのポーランド軍。パリ解放のフランス軍。それぞれの合間に、ジュビリー(カナダ軍)、ワルキューレ(ドイツ軍)、ワルシャワ蜂起(ポーランド軍)も触れられています。
ジョン・キーガンの目的は、各国軍の特徴(尾張弱兵とか)を書くことらしかったですが、どうもスコットランドまでは書かれていますが(アメリカ軍のフロンティアスピリットとか)、イギリス軍以降は諦めたのでしょうか。特に書かれていません。まあ、当時キーガンは46歳(1980年記述として)なので、勇み足をしたのでしょう。ちなみに、キーガンは校正も今一で、訳注で結構修正されています。40年前なので研究が進展していないのなら仕方ないですが、列挙した物の数を間違えているとか、お役所に提出する書類なら受領拒否されるレベルです。
とはいえ、読みやすい上、最後にパリ解放以後の話から1980年代までのノルマンディ戦の位置づけも書かれていて、一気に読めるものでした。
そろそろNormandy44のプレイに戻らねば。