「Sickle Cut」の次は同じシステムの「Dynamo」です。こちらは既にドイツ軍がイギリス軍を包囲しています。後は叩くだけです。とはいえ、ヒトラーの停止命令がありますので、ほとんど進撃できません。その間にイギリス軍は戦線を縮小しダンケルクから部隊を逃がします。勝利条件は15ユニットの脱出。どんなユニットでも1ユニットとしてカウントされますので、減少戦力はおろか基幹戦力でもOKです。シモニッチ御大が言うには非戦闘員もいるので別に戦力的な数値が問題ではない、という事です。まあ、そうかも。
いずれにしろ、元気な部隊が殿軍となって戦力が落ちた部隊を逃します。ここで「断固とした防御」や「死守」というルールが効いてきます。これは「退却+混乱」となるのを回避できます。ところが、このルールは、「Sickle Cut」にもあります。「死守」するフランス軍?なんか変です。御大もおかしいと思ったのでCRTで「断固とした防御」ができない結果も入れています。「Normandy'44」ではうまくいったと書いてありますので、多分「地名'年」ゲームシステムでルールを統一したかったのかもしれません。私はNormandyやその他のゲームを持っていませんので分かりませんが。
これはシステムをルールに当てはめるのを優先して、その戦いの本質を見ていないという事です。御大にしてはどうかと思います。いっそ「Sickle Cut」ではバッサリ切ってしまえばよかったのです。なのに、ルールの統一を考えてしまったのが間違いの素です。確かに同一システムの方が、シリーズでゲームをやっている人には覚えやすいのかもしれませんが、状況に合わないようではだめでしょう。少し残念に思います。