HIPに関する考察

 ASLSKシナリオ42と43では、防御側のドイツ軍に隠匿初期配置(HIP)が許可されていました。そこで、HIPについて考えてみました。
 そもそもどうしてHIPというルールがあるのでしょうか。
 シナリオ42はボカージュ地形であり、よく言われるように連合軍はかなり苦戦しました。見通しが悪い上に移動(特に戦車)がしにくかったようです。このため、シナリオ42では、全ドイツ軍が建物、麦畑、果樹園でHIP可能でした。
 ところが、シナリオ43ではHIPが許されるのは2個MMC(スタックしていれば+SMC/SW)のみです。ヒストリカルでシミュレーションとして考えると、多分これは「アメリカ軍がドイツ軍の戦力を過少に見積もっていた」という事でしょうか。ならば、アメリカ軍の行動としてはHIPされたユニットはいないものとしないといけない気がします。

 

 SKルールではHIPの概念がありませんので、このシナリオではSSRとして規定されています(HIPという単語は出てこない)。スタンダードルールと違うかもしれませんが、HIPが剥がれる要因は「移動した」、「射撃した」、「アメリカ軍に撃たれNE以外の結果が出た」、「アメリカ軍が進入してきた」です。つまり、ジッと蹲っていれば見つかりません。隣接されても見つからないのです。まさに『かくれんぼ』。
 で、アメリカ軍としては、HIPがありそうな場所に射撃(地域射撃)をしてみるのが一般的なやり方でしょうか。要するに弾を撃ち込んでみて相手がいるかどうか確認するということですね。これは準備射撃フェイズに行って、いないとわかれば移動フェイズで他の分隊が移動するという、実戦でもやりそうなやり方です。しかし、シナリオ43では、ちょっと違和感があります。いないと思っているわけですから。

 

 さて、HIPが許される状況下で、HIPの特性を生かした戦術とは何でしょうか。

 

 その前に、HIP戦術をとる場合の注意点は、「同じことをずっと続けてはダメ」だと思います。同じ戦術を毎回やっていれば、何度も対戦した相手なら、すぐにどこに配置したかばれてしまうでしょう。このため、HIP戦術を複数持っていて使い分ける必要があると思います。ストレートばかり投げるピッチャーなら打ちやすいというものです。

 

 で、HIP戦術です(個人の感想です)。
①HIPしていないMMCの配置がスカスカと見せて、隣接させたHIP-MMCでFGを組めるように配置
②建物占拠シナリオなら、横の方にHIP-MMCを置いておいて、最後の方で奪還に走る
③マップ端に配置して、側面から射撃する

 ①はちょうどシナリオ43でドイツ軍がやって勝利した事例ですね。②はシナリオ41の時にHIPできれば西側の建物に配置したドイツ軍が勝利条件建物の奪還に向かえたでしょう。あるいは東側の生け垣から。③は高火力の部隊がHIPしていると効果がありそうです。

 

 できれば、もう1個か2個ぐらい戦術を考えたいものです。そうすればHIP箇所を相手に悟られにくくなります。