中国人が日本の土地を購入するというのが問題になったりします。また、一所懸命という言葉もあります。そもそも何故土地を所有したがるのでしょうか。
「軍事思想史入門」(浅野祐吾)を読んでいて、序文の所で「遊牧民族」と「農耕民族」の話が出ていました。農耕民族は、非好戦的ですが、人口が増え耕作地を広げるために、戦争を起こすとしています。つまり土地が欲しいんですね。
でも、農業に携わる人ならともかく、そうでない人も土地を欲しがります。不思議なことですが、多分、土地が「資産」とされているからです。持っていれば値上がりしたりし、売ってお金にできるんですね。
思う事があります。今でも班田収授法のように、全ての土地は国家の物としたらどうなんだろうか、と。土地相続争いとかなくなりそうな気がしますし、中国人が購入することはできなくなるでしょう。でも、歴史的には、班田収授法は廃止され、土地の個人所有が認められるようになりました。この方法は、何かがおかしかったから、廃止になったのでしょう。それは何か。
古代では、開墾してコメなどの収穫量を増やす必要がありました。しかし、個人の利益にならない開墾作業は、身を入れる事がありません。民にとっては、余計な作業なのです。そこで、墾田永年私財法で、新規に開墾した土地は個人のものにしてもよいとしたのです。でも、現在では、新たに開墾する土地はそれほどありません。そろそろ、土地の個人所有をやめてもいいのではないかという気がします。土地の個人所有による問題点は、中国人の購入だけではなく、自分の土地だから何をやっても構わないと産業廃棄物を捨てたりと、かなり多い気がします。そういった問題の解決に加え、土地争いも無くなります。どこかで、お寺と土地争いした際に、寺側の方が間違っていたにもかかわらず、墓を動かせるものならしてみぃと開き直った住職がいましたが、そんなことも無くなります。実際に、特に都市部では、土地境界争いが結構あって、地籍調査はなかなか進みません。mm単位でもお金になるので、かなりうるさい人が多いようです。こういった事も、土地はすべて国の物という事にしちゃえば、問題なくなるんじゃないだろうか。などと思います。大体、地面なんてもんは動くんだし。
でもまあ、収受するのを、単に役人が面倒臭がったんじゃないだろうか。それにマイナカードぐらいで問題になっているのだから、絶対なんか問題を起こしたでしょうね。