中公新書で出ていたので買って読んでみました。
幕府の近代兵制についてはちょっと興味あります。「幕府歩兵隊」という本もあるのですが、現在絶版のようです。買ったっけ?この辺は「陽だまりの木」で興味湧いたのです。
さて「幕府海軍」ですが、幕府海軍は帝国海軍の(あるいは現代の海自も含めて)大元となる組織です。この本では序章で古代以来の日本の海上軍事力について述べ、第1章から幕府海軍の成立と発展、そして滅亡まで書かれています。そして最終章では、幕府海軍が明治海軍に残したものが書かれています。新書版なので比較的読みやすく書かれていますが、戦いについては詳細に書かれています。幕長戦争の大島口の戦いとか詳しく知りませんでした。司馬遼太郎の本では、高杉晋作の奇襲によって敗退したように書かれていましたが、実際はほとんど影響が無く、長州軍の増援により不利になった幕府歩兵隊が撤退したのが真相のようです。
艦の編成についても書かれていて、案外たくさん船があったんだなと思いました。有名所しか知らなかった。
著者は海自の二佐で防衛大学の教授もやっているようです。なので、記述は信頼できるかと思います。なかなか面白かった。