「【現代語で読む】林子平の海國兵談」(家村和幸)

 FitBoxing北斗では、ついに全員の衣装をゲットしました。残りは楽曲ですが、これを全部購入するとFitポイントの使い道が無くなります。そろそろDLCで新しいトレーナとか出ませんかね。

 

 迫りくるロシアの脅威を受け、今の武士はなっちょらんと奮起した林子平が世に問うた「海國兵談」でしたが、幕政批判はけしからんと発禁処分にされ、林子平も牢屋に入れられてしまいました。というのが、確か歴史の教科書で学んだことです。同時期には「赤蝦夷風説考」とかも出ていて、意識高い人は皆海外の事情に飢えていました。で、発禁処分になった「海國兵談」は、死の直前に林子平が隠し持っていたものを筆写して5部作っていたらしいです。それがペリー来航の直前には世に出ていました。

 それを現代語で読みやすくしたのがこの本です。なかなか面白い。

 林子平は現代(当時)の武士は華美に溺れて武芸の本質を忘れていると散々に書いています。特に幕政批判してはいませんが、トップがダメだからと書いているので、幕府批判と捉えられなくもありません。どちらかと言えば各藩の藩主に対して書いているようですが。

 また、日本の兵制は、中国やオランダに比べて雑だと書いてあったりしています。これまた当時の兵法家と自負している連中には気にくわなかったことでしょう。とはいえ、これを読んだ幕末の志士たちが洋夷を恐れることはないと自信をもって攘夷していたという事です。

 また、兵法書というだけではなく、殖産興業についても論じていて、明治の富国強兵を先取りしています。多分、生まれるのが60年早かった人だったのでしょう。

 編者の家村さんは、日本兵法研究会会長だそうで、どんな団体かなとHPを検索してみました。元陸上自衛隊にいた人で予備二佐のようです。つまり中佐ですか。いろいろ本を書いているようです。どっちかと言えば国粋的ですね。よく言えば愛国的。天皇陛下を敬い日本を愛する人を会員として募集しています。が、どちらかと言えば行動よりも研究側なので、スピーカーでがなり立てている右翼というわけではないでしょう。