和訳三昧

 世の中三連休だというのに和訳三昧です。やっとシナリオブックのデザイナーズノートを読みました。持っている第4版には無かったんだよなぁ。

 デザイナーズノートでは、歴史的な説明から、このゲームシステムの話へとつなげています。戦術システムに重点を置いて構築しているので、中世までの戦い(アザンクールとか)にも対応可能なようです。簡単に言えば武器と装甲のマトリックス。攻撃と防御のマトリックスと言えばわかりやすいでしょうか。前に、マストアタックで「乱」をベースにして武器/装甲マトリックスを再現したゲームを作ろうとしていた方がいましたが、その後どうなったのでしょう。兵種が豊富なら、このシステムは機能しますが、兵種が少ないと3×3とか小さいマトリックスになって面白さが半減します。日本では、余り多少な兵種が設定しにくいので、兵種にこだわらないマトリックスも必要かもしれません。例えば尾張兵と甲斐武田兵とか。

 それはさておき。

 デザイナーズノートを読んでいて思ったのは、現代戦に慣れたプレイヤーと、古代戦を再現したいデザイナーの思惑の違いでした。有名なマケドニアファランクスですが、史実では崩壊したことがありません。しかし、テストプレイ中のゲームではよく崩壊したようです。現代のプレイヤーは損害上等で安い弓兵とかをファランクスにぶつけて結束力ヒットを稼いでいるのです。結束力ヒットがファランクスの質の値を超えたら、そのファランクスは潰走します。なので、ひたすら弓兵をぶつけてファランクスを潰走に持ち込む戦術が取れたのです(現在ではルール上不可能にしています)。デザイナーはそんな使い方をして欲しかったわけではないようです。

 戦術というのは発展していくもので、現在のプレイヤーは過去の戦術の発展の線上にいます。なので、古代では思いもよらなかった戦術が取れるのです。それは自由度と言えるかもしれませんが、シミュレートとしてはどうかという感じです。まあ、それを言えばシチュエーションでの知識も違ってくるのですが(例えば長篠)。この辺は、過去の戦いのシミュレーションの弱点かもしれません。現代のプレイヤーの頭を殴って、歴史的な記憶をなくさない限り・・・。