アホな法律

 私は亀田の柿の種が好きで、6袋入りの物をよく食べています。この小袋の後ろ面に「こばなしのたね」という蘊蓄がありまして、今日食べたものには「パン屋の1ダースは13個?」となっていました。一説には、イギリスではパンの重量を規定する法律があって、軽いと罰せられるそうです。なので、パン屋は自主的に1ダースに1枚追加して13枚で売るのだとか。
 イギリスというと、何かアホらしい法律が多いというイメージがあります。例えば、窓の大きさで税金が決まるとか(ビクトリア朝時代にはあったらしいですが、今はもう無いと思いますが)。まあ、どこの国でも変な法律というのはあるもので、日本で一番有名なのは、過激な環境保護団体が泣いて喜びそうな「生類憐みの令」ではないでしょうか。近年は「荒々しい戦国遺風を払拭するため」という理由だったという説もあるようです。後は、借金棒引きの「徳政令」。貸した側には酷い法律ですが、これも闇金レベルの利子を取るような業者相手なら、いい法律かもしれません。
 ニュースを見ていたら、埼玉で「虐待禁止条例」という法律ができるようです。これ、小学校三年生以下だけで留守番とか、公園で遊ぶとか、登下校するとか、一人でお使いするとかがダメだとか。罰則は無いようですが。なんでも、子供を置いてゴミ出ししてもアウトだそうです。PTAや家庭、子供までもダメ出ししているのですが、自民党が出しているので可決されるのは必至だそうです。いやはや、アホな法律はどこにでもあるものだなぁ。理想だけで現実を見ないで法律を作ると、こんなアホな法律ができるという典型例でしょう。
 確かに、子供を守りたいという理想は立派ではあります。では、こいつらの何が問題だったのか。それは、「確率を天秤にかける」という事をしていないことです。確かに、事件や事故があればマスコミがセンセーショナルに報道します。が、それはめったにない事だから、マスコミが報道するのです。そういった事件や事故の陰に、どれほど多くの子供だけで留守番しているという事例があることか。「確率を天秤にかける」とは、事件や事故の起こる確率を計算するという事です。それをせずに理想だけの法律を作るとは、政治で飯を食べている政治業者としての能力が無いと言えます。そいつらを当選させる県民もどうかと思いますが。
 少なくとも、当事者が反対しているなら、政治業者は自分の理想は置いておいて、それを汲むのが仕事でしょう。善良な理想主義者というものは、本当に始末に負えません。自分の間違いを認めないのですから。