「ゴラン高原」(SPI/HJ)

 ここ数日、ニュースでジャニーズの事ばかりやっています。このため、台風情報もあまりなかったのではないかと思います。まあ、台風も今一キレが悪かったけど。私は、アイドルとか芸能関係は、あまり興味がないので詳しくないですが、ジャニーズ事務所で長い事、アイドルの卵とかが性的被害にあっていたとか。ジャニーズなので男の子ですが、お稚児さん趣味の人に目をつけられたんでしょうかね。それともおばさん?

 ニュースを見ていたら、事の発端のBBCドキュメンタリーを作った人のインタビューがありました。「見て見ぬふりをした大人も責任が重大だ」と言っていました。つまりマスコミです。相変わらず、マスコミは権力に弱いんだな、と思いました。さすがにイギリスは民主主義先進国です。「民主主義にはマスコミに対する外圧があってはならない」とも言っていました。「ジャニーズ、一強も良くない」とも言っていまっした。ジャニーズ事務所は権力者ではない?でも権力は持っています。視聴率という権力を。世論とか、信仰も、また権力です。何も国家だけが権力を持っているわけではありません。宗教団体も、そもそも集団となった国民も持っています。集団こそ権力なのです。

 戦前のマスコミも同様でした。こちらは購読料という権力に負けたのです。正論を拒否する国民が新聞を買わなくなるので、結局迎合したのです。そして戦争に負けた後で、存在しなくなった軍部に対し「軍部が悪い」、「強制されていた」といけしゃあしゃあとのたまうのです。そして、今回もそうですし、統一教会の時もそうですが、相手が弱った時にマスコミは牙を剥きます。つまり世間から非難されるようになってから、その尻馬に乗って非難報道をするのです。もっと早くやるべきでしょうに。イギリスBBCに先を越されるとは。

 

 しまった、長くなった。

 さて、それはそれとして。

 

 最近、VASSALモジュールでSPIの古いゲームが’(SPIがそもそも古いが)出ています。昔TACTICS誌に付録として付いていたモダンバトルズシリーズの「ゴラン高原」も出ていましたので、ちょっとプレイしてみました。なんか、「West Wall」とか、古いのばかりプレイしているような・・・。「On To Richmond II」の和訳が遅々として進まないから・・・。

 

 「ゴラン高原」と「チャイニーズファーム」は、ヨム・キプール戦争とも呼ばれる第四次中東戦争のゲームです。日本でトイレットペーパーが無くなると買い占め騒動が起こった奴です。なんで日本人はトイレットペーパーにこだわるんでしょうか。この前のコロナの時もそうでした。もっと落ち着け、日本人。

 この戦争は1973年。ゲームは1975年。当時としては「モダン」だったんでしょうけれど、今となっては・・・。

 システムは、NAWで「West Wall」とほぼ同じ。現代(当時は)の状況に合わせてSAMとかがあります。実際のところ、SAM大活躍。88mmとか目じゃありませんでした。

 第四次中東戦争については、他に沢山文献がありますが、簡単に言えばイスラエルの祝日に合わせて、アラブ人が東西から攻撃しようとしたものです。他人のお祭りに合わせて攻撃とか、一歩間違えば、逆に戦意を向上させそうで、やっちゃいけないことだと思います。東側の戦線が「ゴラン高原」、西側が「チャイニーズファーム」となります。結論から言えば「イスラエル、Tsueeeeee!」。

 ゴランの方は、シリアが最初ブイブイ言わせますが、モタモタしているうちに増援が来たイスラエル軍に撃破され、首都近くまで逆侵攻されたという。いいトコなし。

 

 さて、試しにプレイ。初期配置はイスラエル軍はほとんどいません。なのでシリア軍は取り付き放題。青がイスラエル軍、黄土色がシリア軍。

第1ターン シリア軍移動フェイズ終了

 包囲して除去を繰り返したら、第2ターンでヨルダン川突破して、サドンデス。

サドンデス

 あれ?

 ルールを見返して気が付きました。2つ大きな間違いをしていました。

①防御拠点(茶色ヘクスサイドを持つヘクス)

 ここは防御力2倍だけではなく、3コラムシフトも持ちます。他のゲームでは大体防御力2倍だけなので勘違いしていました。つまり、他のゲームのルールに引っ張られている

②対戦車壕ヘクスサイド(水色のヘクスサイド)

 水色のヘクスは非武装中立地帯です。そのイスラエル側にちょっと太めの水色のヘクスサイドがあります。これ、対戦車壕ヘクスサイドです。移動力+2MP。気が付きませんでした。だって水色のヘクスに水色のヘクスサイドですから、ダダの枠だと思ったんだもの。今時なら二重線とか対戦車壕っぽいヘクスサイドにするのでしょうけれど、1975年当時のグラフィックはねぇ。まあ、これもよくTECを見ていない証拠です

 

 それは突破されるわ。

 気を取り直して2戦目。

 やっぱり②の+2MPは効いています。シリア軍の進撃の足が遅い。

攻撃箇所が半分になった

 さて、このゲーム。結構よく考えられています。第一にCRT。二種類あります。損害度外視で敵を撃破する「突撃CRT」と、敵を後退させる目的の「機動CRT」。この使い分けが重要です。ただし、シリア軍は最初は「突撃CRT」だけしか使えません。なので、自軍の損害も少しずつ増えていきます。

 さらにAxという結果があります。防御側が1ヘクス後退し、攻撃側が防御側の防御値以上の攻撃値のユニットを除去。簡単に言えばExの防御側後退だけバージョン。攻撃力は機甲ユニットが高いのですが、これだけで攻撃してAxの結果を受けると敵歩兵や砲兵が後退しただけなのに、自軍の機甲ユニットが飛びます。なので、損害吸収用の歩兵とかを随伴していないと迂闊な攻撃ができません。うまく諸兵科連合が再現されています。

 

 このままゲームを進めたのですが、イスラエル軍が増援を受けてシリア軍を撃破しようとして突撃CRTを使いExとかで吹っ飛び、シリア軍はイスラエル軍の航空支援で吹っ飛び。などなどで、気が付いたらユニットがどんどんいなくなっていました。イスラエル軍は機動CRTで自軍の損害を抑えるべきだった。なんか、独ソ戦初期のソ連軍のように、取り合えず前線投入、無理な攻撃、自滅、を繰り返した気がします。一方、シリア軍は突破サドンデス狙いで無理な攻撃をして、やっぱり吹っ飛んでいます。突破は狙わずに、態勢を整えた方が良さそうでした。一戦目の結果に引きずられた。

 

 ゲームとしては古いものですが、いろいろ考えるべきことはあります。移動力12とかなので、結構ダイナミックに動いて包囲されやすいです。ちゃんと戦線を張って後ろに回られないようにしたりとか、歩兵随伴で攻撃するとか、基本的な事をちゃんとやらないと勝てません。CMJではNAWの再販をしているので、これらも再版するといいのではと思います。