「WEST WALL」(SPI/SA)より「アルンヘム」

 1976年に発売されたSPIのクワドリ「WEST WALL」ですが、SIX ANGLESの別冊7号で日本語版が発売されています。この別冊は「Wargame Retrospective」と名前を付けられ、いくつもの古いゲームをライセンス生産しています。「WEST WALL」はその中の1つです。1976年と言えばSPIも上り調子でブイブイ言わせていた頃です。アルンヘムの他に、ヒュルトゲン、バストーニュ、レマーゲンが含まれており、それぞれ1ヘクスが2km、500m、850m、667mです。ユニットは大隊から連隊単位です。

 システムは、基本的にマストアタック、強ZOCのNAWシステムです。NAWと違うのは、戦力比ではなく戦力差のCRTで、またSPIでよく使われた防御側の地形別の行で戦力差の列を決めるというものです。また、砲兵は射程が伸びるとともにLOSの概念が無くなりました。NAWでは森や町はLOS妨害されますが、「WEST WALL」では妨害地形はありません。まあ、第二次大戦なので当然と思われます。その他、航空支援もありますが、これは砲兵と同じ使い方です。マーカー1つが1戦力扱いです。

 今の感覚ですと、第二次大戦でNAWシステムって大丈夫なのかと思われますが、そもそも、昔はマストアタック、強ZOCが当たり前でしたしね。それに第二次大戦と言っても、作戦が進んでいる中で対峙していれば、全く戦闘がないと言う訳もなく。また、中世の戦いとかではないのですから、敵に気づかれずにZOCを離脱できないでしょう。

 まあ、取り合えずお試しで。

 アルンヘムの初期配置です。空挺部隊は指定ヘクスと隣接ヘクスに降下できます。スカッターはありません。ただし、スタック禁止なので、ドイツ軍がいたりして降下できなかったら全滅になります。ちなみに、使っているのはVASSALモジュールで、SPI版です。幸いSA版はルールとかに手を加えていないので、特に問題ありません。HJ版の「太平洋の壁」では戦闘序列が変更されていて、しかもSPI版に無いユニットがあったので、HJ版のルールでVASSALモジュールを使えませんでした。

 それはさておき、勝利条件はポイント制で、除去によるポイントだけではなく、連合軍はワール川とネーデルワイン川を越えたユニットごとに、ドイツ軍は連絡線切れになった連合軍ユニットごとにポイントが入ります。とにかく連合軍は地上ユニットをアルンヘム向けて前進させ、ドイツ軍はその連絡線(幹線道路)を切るという戦いになるでしょう。

 橋梁についてのルールでは、連合軍ユニットが隣接したら1、2で爆破成功。ドイツ軍ユニットが近くにいる必要はありません。橋梁が爆破されても工兵による修理のルールがあります。とはいえ、ワール川を渡れるのはナイメーヘンの北側の鉄橋1つのみなので、ここをドイツ軍が抑えると先に進むのが困難になります。

初期配置(右側が北)

 ちょっとお試しプレイしたところ、第6ターンのドイツ軍フェイズで、ドイツ軍が行き詰まりました。第7ターンと第8ターンにマップ西側(上側)から増援が来ますが、これで連絡線をカットするのは無理です。連合軍はまだワール川を渡っていませんが、VPでは1点差が付いています。ドイツ軍も連合軍ユニットの除去ができれば5VP入りますが、現状で除去できるユニットは無さそうです。むしろドイツ軍の方が除去(1VP)されそうです。

第6ターンのドイツ軍フェイズ開始時

 ドイツ軍の敗因は、連絡線を切ろうと東側の増援をアイントホーフェンに向けて進めたのですが、連合軍の増援が対応したためと、ここが小河川で渡れるという事に後で気が付いて包囲され除去されたのが痛かった。爆破できる橋梁があるから大河川かと思っていました。

 まあ、お試しなので。でもどちらかと言えばドイツ軍が厳しいかな。最初は攻撃を行わないで、増援が出揃ってから連絡線を切りに行った方が良かったかもしれません。