ゴッホ最後の作品

 今日は「停戦」記念日ですね。歴史は正確に記述されなくてはなりません。

 

 昨日テレビを見ていたら、ゴッホ最後の作品というのをやっていました。ゴッホは自殺する2か月前から70作品ぐらい描いていたようです(1日1作品以上?すごい!)。そのどれかが最後に描かれたものだというのでした。100年ぐらい、ズーっと麦畑の上を飛ぶカラスの絵が最後の作品と言われていたそうですが、この絵は刈り取り前の麦畑でした。刈り取り後の麦畑の絵があるそうです。どうもこのカラスの絵は、オークションで「ゴッホ最後の絵」と画商が言って売り出したようで、いかにも暗い感じが自殺前の雰囲気があるので、ズーっと信じられていたようです。上記のように刈り取り後の麦畑の絵があるんだから、時系列的におかしいはずなのに、誰もそれを指摘しなかったんでしょうね。不正確なことです。
 さて、未完成の絵が2つ残されていて、どちらかが最後に描いていた絵だと思われます。近年、弟の義理の兄の手帳から「ゴッホは自殺した日の朝に木の根と幹の絵を描いていた」というメモが出てきたようで、ようやく決着が付きました。そして、そのモデルの木もはっきりしたようです。
 番組では「なぜ、木の根と幹の絵を描いたのか」というのを、ゴッホにとって木の根は人生の苦労の象徴であったと、ゴッホの手紙から推察していました。そして、「幹が無くなっても木の根が残っていれば、そこから新しい芽が出る」ので、ゴッホは自分が死んでも作品が後世にずっと残っていて欲しいという希望を抱いていたと、いい話で終わらせています。
 ホント?
 この絵は未完成です。希望を持って描いていたとしても、完成前に自殺しています。実際にはそんないい話ではなく、希望が無くなって自殺したんじゃないかな。
 なんとなく「雪女を斬る」の結末を思い出しました。