上がるを見ても落つる涙は

汝や知る 都は野辺の 夕雲雀 上がるを見ても 落つる涙は

 飯尾彦六左衛門常房「応仁記」

 

 本日(7/13)は旧暦で5/26です。細川勝元が蜂起し、足利義政を取り込んだ応仁の乱の開始日と言えます。
 通常、応仁の乱の開始は旧暦1/18(新暦2/8)の上御霊社の戦いと言われますが、この時の元号は応仁ではありません。また、義政の命令で介入不可とされた畠山家の相続争いに、細川勝元は介入していません。一方の山名宗全は介入しています。このため、細川勝元は京童に腰抜け扱いされたようです。ただ、将軍の命令に従ったという意味では細川勝元に分があります。実際NHK大河「花の乱」では、義政が晩酌する時に日野富子を呼ぼうとしたら山名宗全と宴会していると言われて苦い顔をしていました。「右京大夫(勝元)を呼べ!」と言っています。勝元は義政の意をよく汲んでいたためでしょう。そういう意味で、将軍の命令に反した山名宗全方に非があります。
 とはいえ、次第に山名方が勢力を増している状況で、ついに勝元が立ちます。それが今日なのです。
 思うに、実際に細川と山名が戦った今日こそが応仁の乱の初日と言っていいと思います。実際、応仁に改元されたのは旧暦3/5(新暦4/24)です。上御霊社の戦いの時点では、まだ「応仁」じゃなかったんですね。
 さて、そんなわけで、WGJの「応仁記」が今日プレイするのに適している気がします。GJの「応仁の天下」はどっちかと言えばウォーゲームではなく、ファミリーゲーム寄りですし。
 前にも書きましたが、「応仁記」は結構面白いゲームです。地方の戦いと京都の戦いが微妙に関係(殆ど関係していないとも言えます)して、「ままならない」状況を作り出しています。VASSALモジュールも出ていますが、これの初期配置はヒストリカルではありません。ヒストリカルシナリオでは、「応仁ZERO」として上御霊社の戦いが行われます。大勢には影響ありませんが・・・。そのあたりもなんとなく応仁の乱を表しているようで高評価。昨今、応仁の乱も注目されていますので、もっとプレイされてもいい気がしますが。
 ちなみにNHK花の乱」は女性主人公の中では最も好きなものです。そもそも悪女と言われる日野富子を主人公にした勇気に敬意を表します(平清盛も同じ)。それに俳優が素晴らしかった。所詮、一般市民ではこの素晴らしさは理解できないのでしょう。平清盛も合わせて視聴率は最低だったようです。
 さて、「応仁記」を改めてプレイ。前回は京都で合戦しまくったら、皆地方に落ち延びて京都がスカスカになってしまいました。そして地方の連中は全国漫遊ばかりして上洛してきません。世界的な観光都市京都だというのに・・・。
 今回は、京都に結構集まってきましたが、序盤で既に東軍3人、西軍1人の討ち死にが出ています。中には毛利豊元(元就のじっちゃん)も。この人、寿命じゃ10ターンに死ぬはずなのに、1ターンに既に領国で戦死してしまいました。討ち死にチェックで6が出過ぎ。

 その後、4ターン目にして、洛中にほとんど東軍がいなくなって(皆帰国)、花の御所に義政が一人ポツンと佇んでいるという・・・。周りは西軍だらけ。

 上洛しない連中を見ても落つる涙は

4ターン洛中フェイズ終了時

 そして、討ち死にした人々。

 天国に上がるを見ても落つる涙は

往生極楽