答えを得ようとする心に注意しないといけない

 「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」が23巻で第一部完となりました。面白いと思って読み始めましたが、例の如くアニメ化されるだけではなく、実写化までされました。前にも書きましたが、笑いあり涙ありで、とても良いマンガです。

 さて、23巻では二つの異なる事件を軸に物語が展開していきます。そのうちの一つにモヤモヤとしたものが残りました。この事件は、婦女暴行事件なのですが、被害者の女性と加害者の上司2人の証言が食い違っているのです。いわゆる「藪の中」ですね。性交したという事実はどちらも認めるものですが、被害者はレイプだとし、加害者は合意の上だと主張しています。こういった場合の物的証拠としては、ケガとかの暴行の跡や破れた服などがあげられますが、それはありません。また、現場は被害者の自宅ですが、そこでお酒を出しています。昔、マンガ「F」で、同様に加害者にコーヒーを出しているのでレイプとならなかった話がありました。同じような事なのでしょう。

 さて、この事件。これが推理マンガなら、名探偵とかが出てきて、どちらかが嘘をついていると暴いて見事解決となる所です。推理マンガなら。しかし、「ハコヅメ」では、結局解決されませんでした。

 ふと、マンガに描かれていることで、どちらかの嘘がわかるのではと思ってしまったのです。いけない、いけない。

 人間は、何かわからないことに対して、自分なりの答えを求めてしまう生き物です。これは非常に危険なことです。冤罪は、こういった心の動きで生まれるものなのです。なので、私は、こういった心の動きを自制しようと思っています。自分勝手な考えでの決めつけはよくない。

 実際のところ、こういった事件は結構あるのだと思います。それを捜査する警察の人は大変です。

 でも、ちょっとだけ思ったのです。シャーロック・ホームズならどう推理するのかな、と。まあ、シャーロック・ホームズ推理小説ですから、元々答えがあるものなので、現実世界とは異なるものですが。多分、このケースでは、ホームズはちゃんと解決できないと思います。もっとも、ホームズが推理したいと思うような事件ではないのかもしれませんが。