複数の視点は大事

 私はまだ3回目の接種をしてないのに、もう4回目の接種が始まっています。取り残され感があります。まあ、高齢者は仕方がないのでしょうが。

 

 今日は急いで帰らないといけないのに、なんか色々な所で足止めを喰いました。特に用が無ければ落ち着いて待っていられるのですが、用があるとどうもイラつきます。精神修養がなっていませんね。

 

 「アラブが見た十字軍」(アミン・マアルーフ)を読み始めました。「十字軍全史」(ダン・ジョーンズ)も読み始めています。「アラブが見た十字軍」は文庫なので通勤電車の中で、「十字軍全史」の方は家で読んでいます。

 で、「アラブが見た十字軍」の方は、結構面白い感じがしました。昔、塩野七生の「十字軍物語」を読んでいたので大雑把には把握していますが、視点を変えると違う見方が出てきます。例えば、アルスラーン王が最初にフランク人(アラブでは西洋人の事をまとめてこう呼ぶ)の部隊がコンスタンティノープルに集まっているという事を聞いてスパイを送ります。何しろビザンツ帝国領のアンティオキアを取ったのが最近なので、それを取り返しに来るのではと思ったのです。その報告で困惑します。騎士数百に歩兵はいいとして、ボロを着た数千人が集まっている。いったい何をしたいんだ?と。・・・そうだよねぇ、と思ったのでした。それら貧民十字軍を軽く撃破したので、イスラム側はフランク人恐れるに足らずと舐めプ―して同胞同士の争いを始めます。ところが正規の第1回十字軍が来て首都を落とされて驚きます。なんか戦前の日本人みたい。

 まだ最初の方ですが、やはりアラブ側からの記述なので敗戦でも柔らかく書いています。アンティオキア攻防戦も結構細かく書いていて、あっさり目の塩野七生の物とはやはり違いますね。

 思うに、塩野七生の「十字軍物語」とこちらの「アラブから見た十字軍」を同時にお読むと面白いかもしれません。

 ちなみに「十字軍全史」の方はイベリア半島レコンキスタも含まれていて「全史」の名に恥じないもののようです。こちらもまだ最初を読んだだけですが。