常識を破るもの

 多くの、というか、全てのウォーゲームで当てはまるルールというのがあると思います。例えば、移動力については次のターンに持ち越せないし、他のユニットに譲渡できない、とか。こういったルールは、ほぼ常識ではありますが、必ずルールに書かれています。初心者向けならいざ知らず、ルールの多い中級者以上向けでも書かれています。なんかスペースもったいない。

 さて、そんな移動力の常識ですが、ふと考えてしまいました。これ、絶対なのだろうか、と。
 例えば、こんなことはできるのでは?

 自軍ターンの開始時に、全てのユニットを低速移動面にします。ただし、補給源から3ヘクス以内にあるユニットは高速移動面にします。
 次に、高速移動面になっているユニット2つから3ヘクス以内の低速移動面のユニット1つを高速移動面にします。かわりに、高速移動面の2ユニットは低速移動面にします。つまり禁断の移動力の譲渡です。
 これを繰り返して補給源から遠いところのユニットも高速移動面にできます。
 その処理が終わったら、移動開始です。

 何をシミュレートしているのか?
 補給です。
 まあ、設定はまだ考えていませんが、例えばガソリンの補給だと考えると、補給源から前線までガソリンを輸送している形になるのではないかと。北アフリカですね。でも、これだと途中にユニットを残さないといけません。
 では、ナポレオンのロシア遠征ではどうでしょうか。補給物資はガソリンではなく食糧だと考えます。前線で食料がないと、周囲の村から挑発するために行軍が進まない。食料があればどんどん行軍できる。それに途中途中に部隊を置いておかないといけません。これは補給輸送部隊というより守備隊ですかね。

 そう考えてみたら、移動力を他のユニットに譲渡するというやり方もありかなと思ったのでした。次のターンに持ち越すというのも、考えれば何かシミュレーションとしておかしくない方法があるかもしれません。
 タイトルほどかっこいい話ではありませんでしたが、あくまで思考実験の一つということで。