笑点でやっていた手品に感心

 今日の笑点で手品をやっていました。その最後について、なるほどなぁと思ったので書いておきます。

 その手品はトランプマジックです。5枚の絵札から、「視聴者に向けて」1枚選んでくださいと言います。この視聴者に向けてというところがミソです。笑点ですから少なくない視聴者がいると思います。

 で、選んだものを当てます的に裏向きのまま1枚を台の上に置きます。

 そして、「あなたが選んだものを台に置きました」と言って残り4枚を見せます。私が選んだハートのクイーンはありません。

 そして、台に乗せたトランプをひっくり返すと、「あなたが選んだトランプは消えてしまいました」と白くなったトランプを見せたのでした。

 最初はおおっと思ったのですが、直ぐに気が付きました。

 見せてくれた残りの4枚のトランプは、全て最初に見せた札ではなかったようです(未確認)。つまり、視聴者の誰も「自分が選んだトランプ」を見つけることができないのです。そして、台に乗せたトランプは、「視聴者が選んだものではなく」真っ白なトランプでした。

 詐術としてうまいやり方だ。人はたいてい「1枚選べ」と言われると、他のものを見たり記憶したりしません。そして、残り4枚の中には、見せた5枚は入っていなければ、自分が選んだものが消えたように思います。しかも、選んだトランプ自体は見せていない(真っ白なトランプにしている)。

 素晴らしい詐術を見せてもらったと感心した次第です。