「破宮の十重奏(デクテット)」(オーシャンフロンティア)

 このゲームは、ヨフカシプロジェクトというゲーム制作プロジェクトの4作目です。他のゲームと違い、このゲームはソロが可能なので買ってみました。

 ヨフカシプロジェクトは、有名なクリエーターが参加しているという事で、このゲームもシナリオ・設定の原案は大河内一楼(「水星の魔女」の)が担当しているようです。

 

 ゲームは、現代のとある学園が外界から切り離されたところから始まります。狼狽え騒ぐ教師や生徒を尻目に、10人の生徒がこの現象を解決するために動き出します。学園の地下には「冥府の神 月黄泉」が封印されていて、復活しようとしているのです。それを阻止することがゲームの目的です。10人の生徒は、そのために集められたのです。ただし、3階層にわたる迷宮に挑めるのは1晩に1人だけです。

 というわけで、プレイヤーは1人ずつ生徒を使って迷宮探索をしていきます。もちろん、この生徒が死んだら、ゲームオーバーになります。そして、次の晩に別の生徒を迷宮に送り込むのです。つまり、「俺の屍を越えて行け!」なのです。

 最初の生徒は固定です。以降はプレイヤーが選びます。最初は理事長の孫娘で生徒会長という、如何にも、のキャラ「足利かたな」ちゃん。・・・ん?他の生徒を見ると、「仁木」、「吉良」、「桃井」、「畠山」、「斯波」・・・。太平記じゃねぇか。ちょうど読んでいる最中です。とはいえ、別に新田、脇屋、和田、楠木、北畠、四条と言った敵がいるわけではありません。それに、今川、細川とかもいません。なのに、マイナーな石塔、小俣、加古、戸崎とかがいます。まあ、佐々木は外様だからなぁ。うーん。まあいいか。

 

 プレイの場の風景です。

プレイの場(初期配置)

 迷宮は5枚のタイルを並べます。最初は入り口、最後は最奥。これは固定です。途中の回廊3枚はランダム配置です。これが3階層分あります。迷宮の中の部屋には、エネミーの出現や式霊・巻物カードの取得などの指示マークが描かれています。左から順番に指示に従ってカードを配置していきます。エネミーは場に5枚まで出ます。それ以上になった場合は、指示に従って除去します。式霊とは、過去の月黄泉戦で散っていった人々の霊体で、ぶっちゃけ攻撃とか防御とかに使えるカードです。巻物カードは、特殊効果を発動できる使い捨てカードです。

 手札にするカードには必要な行動力が書かれています。初期の行動力は3ですが、エネミーを倒した経験値を使えば5まで増やすことができます。ただし1行動力を増やすのに経験値30必要です。経験値は倒したエネミーのレベルですので、レベル5のエネミー6体倒さないと1つ増えません。かなり難しい。

 「瞑想」というのは、生徒の強化や回復を行う事が出来ますが、1階層に1回(実行したら瞑想マーカーを裏返す)のみ行えます。また、ボス部屋の前でも1回行えます。生命力は初期値が5なので、回復をいつ行うかは結構重要です。

 防御力は、防御カードを出した時に得ることができますが、ターン終了時に0にリセットします。エネミーの攻撃がある場合は、毎回、1枚は防御カード(防御力2)を出す必要があります。さもないと生命力がどんどん落ちます。

 

 生徒カードです。かたなちゃんです。

生徒カード(足利かたな)

 各生徒には2つの特殊能力(宝具)がありますが、最初は封印されています。経験値5で第1段階、さらに経験値10で第2段階が解放されます。これは「瞑想」時に行えます。

宝具封印状態

 

 ちなみに2人でもプレイ可能です。その場合、生徒の他に「機巧人」という死なない絡繰り人形がプレイに参加します。「ナミ」ちゃんです。写真を取り忘れましたが、メカメカしいイラストではなく、かわいい女の子です。

 

 では実際にプレイしてみます。

 プレイ手順は、①移動フェイズ、②プレイヤーフェイズ、③エネミーフェイズとなっています。必ず次の部屋に移動しないといけません。エネミーが場に出ている場合は、引き連れていきます。ボス部屋だけは移動しません。ボスを倒すと階層クリアです。

 最初の部屋は入り口なので固定です。部屋に書かれているマークは、左から「巻物取得」、「レベル1エネミー出現」、「レベル2エネミー出現」、「式霊カード取得」です。順番に実行していきます。

第1階層 入口タイル

 ゲットした巻物です。これは「一時行動力」を得ることができます。これでこのターンは行動力4にできます。

巻物カード

 次にエネミーです。レベル1のエネミーカードの山から1枚引き、次にレベル2から引きます。引く順番によって配置が異なります。配置マークが左向きになっている場合、場に出ているエネミーの一番左に配置します。下記の例では、レベル1が先に出たので、その左にレベル2のエネミーを配置します。

エネミーカード

 エネミーの生命力は2つ書かれていますが、小さい方は1プレイヤー時、大きい方は2プレイヤー時に使用します。攻撃は毎ターン行うパターンと、1ターン充電して強力な攻撃を行うパターンがあります。充電中を示すのにはエネミー用のマーカーを使います。

 最後に式霊カードを取得します。山札から3枚引いて、1枚を選びます。選択しなかった式霊カードはプレイから除外されます。ただし、式霊カードは72枚あり、かつ次の生徒になった場合は再度山札を作るので、山札が無くなることは多分ないでしょう。今回は以下の3枚のカードを引きました。

三枚の式霊

 左上の数字は必要行動力です。右上のマークは銅(茶色3本)、銀(灰色2本)、金(黄色1本)で、金の方が効果が大きいですが一般的に行動力が高いです。

 この中から金の「秘策 式霊アカツキ」を選びました。要は手札を捨てて7枚引けるという事です。手札は毎ターン5枚引き、ターンの終わりに全て捨て札にしますので、7枚は手札の量が多くなっていいかと思ったのです。が、後でわかりますが、これは間違いでした。「秘策」を使うのに1行動力使用します。残り2行動力。7枚あっても最大2枚しか使えません。あまり意味がなかった。「呪法」は一度出せば場に残り続けますので、「防御[1]」の方がよっぽどよかった。

 

 移動フェイズは終了しました。プレイヤーの行動フェイズです。なお、この移動フェイズ中に「瞑想」を行う事も出来ます。

 プレイヤーフェイズでは、まず山札から5枚カードを引きます。山札に無い場合は、捨て札を「シャッフルせずに」山札にします。この「シャッフルしない」がミソで、捨て札する時にも順番を考えないといけません。まあ、あまり深く考えませんが。基本的には攻撃と防御を交互にするようにした方がいいようです。攻撃ばかりで防御がないと、エネミーの攻撃に脆弱になります。

 次に生徒カードの「宝具」効果や場に出ている「呪法」効果を適用します。その後、手札を使います。巻物カードもここで使います。前述のように行動力が4になります。

 以下が手持ちカードです。

手札

 この中から以下のカードを選びました。近接攻撃は一番左側のエネミーに対して攻撃可能で、遠距離攻撃はどのエネミーに対しても攻撃可能です。防御は「防御力カード」にマーカーを配置し、次のエネミーフェイズで、エネミーの攻撃からダメージを引きます。場に出ているエネミーの一番左の奴は攻撃力1、右の奴はこのターン充電で攻撃無し。なので、防御力2ならノーダメージになります。

行動力4で選択したカード(一番右は一時行動力)

 エネミーにダメージを与えます。左にあるのはダメージマーカーです。

エネミーを攻撃

 プレイヤーフェイズの終了時に手札、プレイした札の順で捨て札に置きます。前述のように札の順番は任意です。

 

 次がエネミーの攻撃です。場に出ているエネミーは全て行動します。今回は毎ターン攻撃1と充電なので、防御力2でダメージカットしています。

エネミーの攻撃

 エネミーフェイズ終了時に、プレイヤーの防御力を0に戻します(マーカーを除去する)。

 

 これで1ターン終了です。続いて第2ターン。移動フェイズです。移動は必ずしないといけません。迷宮の回廊タイルを捲ります。

回廊タイル1枚目(下の部屋に移動)

 回廊タイルでは2つの部屋に分岐しています。それが2つ分。上下は任意に選べます。移動フェイズごとに右に移動しないといけません。入口タイルと最奥タイルは部屋が1つなので、回廊タイル3枚の2部屋を合わせると、合計8部屋の移動となります。式霊カード取得マークは大体どの部屋にもありますので、合計8枚の式霊カードをゲットできます。

 さて、1枚目の回廊タイルの左の部屋では下の部屋を選びました。「レベル1エネミー出現」が2回、「式霊カード取得」が1回あります。まだレベル2エネミーは怖かったので。

 エネミーは以下の通り。ダメージを与えたやつが奥に引っ込んじゃいました。

エネミーの配置

 式霊カードは以下の通り。絶対防御は大きいですが、毎回防御力はリセットされるので15は大きすぎと言えます。もっとも、後でこのカードは必要だったと思い知りました。強撃が2枚来ていますが、もしかしたらカードを切るのが不十分だったかも。

三枚の式霊(2回目)

 このように進めていきます。途中で瞑想し、生命力を10に増やすとともに、かたなちゃんの宝具第1段階開放しました。そしてボス部屋へ。ボス部屋の前で「瞑想」できます。生命力全回復。でもレベル1とレベル3のエネミーを引き連れたうえで、レベル3とボスの会敵なので、3ダメ喰らって、次のターンに7ダメ喰らって生命力0。かたなちゃんは死亡してしまいました。「絶対防御」があれば・・・。

 

 生徒が死亡した場合に開封する「遺物カード」があります。この中には、生前にその生徒が使っていた宝具や新たな式霊カードが入っているようで(未見)、次のプレイではそれを混ぜます。かくして、故人の遺志を継ぎながら月黄泉を封印すべくプレイを進めていくのです。

封印されている遺物カード

 BGMは「人なんだ」(Suara)でした。

 

 テストプレイで分かった事(個人の感想です)

・防御力、大事

・エネミー数は少ない方がいい

 レベル1の生命力4×2よりレベル2の生命力6の方が、コストパフォーマンスがいい

・式霊カードの取得は、よくよく考える事