『GEMINOA』(DOMINA GAMES)

 お次は「GEMINOA」です。

 天使と悪魔の血を引く双子の娘に対し、天界の軍勢が押し寄せてきます。双娘は人間界に逃げていきますが、転生を繰り返すうちに二人の考えが異なっていきました。

 復讐を選んだ「フィルヴィア(FIRVIA)」

 信仰を選んだ「シェリオーネ(CHERIONE)」

 そして、この二人の悲しき戦いが今始まる。

 と言った感じの二人用カードバトルゲームです。ソロプレイも可能ですが、その場合はソロ専用カードを使います。

 ゲーム自体はよくあるカードバトルものと同じ感じで、「物理攻撃」、「魔法攻撃」、「補助」、「召喚」の4種類のカードを駆使して相手にダメージを与え、「ライフ」が0になった方が負けというものです。

 キャラクターのパラメータとして、「ライフ」以外に、「シールド」と「マナ」があり、「シールド」は物理攻撃のダメージを吸収します。また「マナ」は魔法攻撃や召喚の際に使用します。「シールド」は毎ターンに回復しますので、物理攻撃でダメージを与えようとすると、「シールド」を破壊してから、さらに物理攻撃するなどが必要となります。一方、魔法攻撃はシールド無視ですので直接ライフにダメージを与えられますが、もともと0から始まる「マナ」を貯めないと攻撃できません。「補助」ではマナを貯めたり、シールドを回復したりします。「召喚」は召喚獣を召喚して大きなダメージなどを与えます。これもマナが必要です。

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キャラクターシート(左:シェリオーネ、右:フィルヴィア)

 シールドとマナを表すのに、10面ダイスを使います。このゲームではダイスロールはありません。結構贅沢なダイスの使い方です。

 カードの例です。上がフィルヴィア用、下がシェリオーネ用です。左から物理攻撃、魔法攻撃、補助、召喚です。効果も枚数も二人とも同じです。イラストが違う。

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カードの例

 さて、このゲームの最大の特徴についてです。このゲームは所謂デッキ構築型(?)と言えるものですが、通常のデッキ構築型と異なります。通常では、場に出たカードを早い者順とか、入札とかして手に入れ、それをドローパイルに入れてデッキを構築します。このゲームでは、カードを廃棄(捨て札ではありません)してデッキを構築します。所謂デッキリストラ型とでも言いますか。日本の企業的なリストラ(解雇)とリ・ストラクション(再構築)との両方の意味がありますね。廃棄したカードは二度とゲームに戻ってきません。不要なカードを廃棄して、手札が回りやすくするのです。

 とはいえ、廃棄したカードがそのままというわけではなく、廃棄カード7枚ごとに1枚の定常使用カード(「昇華」と言います)を設定できます。手札から使うのではなく、好きな時に使えるカードです(1ターン1回)。攻撃力の高いカードを昇華させれば、毎ターン攻撃できます。補助カードなら毎ターン、マナを増やすことができたりします。

 カードは、物理8枚、魔法6枚、召喚4枚、補助10枚、全く何も使えないカード2枚の計30枚。この中から廃棄カードを選んで、自分の戦術を組み立てます。例えば、物理を捨てて魔法特化型にするとか。この場合はマナを増やす補助カード以外も廃棄してしまうとか。

 ソロプレイではプレイヤーはフィルヴィアになります。闇の少女ですね。まあ、カードは同じ内容なので、シェリオーネでもプレイできますが。主人公がフィルヴィアなんでしょうか。こちらは戦い方が異なり、シェリオーネのマナは毎ターン+1されます。マナが1、4、7になったときに対応するカードを表にして、アクションを行います。シールドを増やされたりすると結構長引きます。魔法特化型の方がよいかもしれません。ただ、シェリオーネのカードは2種類ずつあるので、毎回シェリオーネの戦術が異なることになります。もう少し種類があってもよかった気がしますが。

 デッキリストラ型と言うのは結構面白いなと思いました。元のデッキの内容が同じですから不公平はありません。デッキ構築型ですと、スタートダッシュされると結構挽回が難しくなります。対して、こちらは自分で自由に戦術を組み立てられるのがいい感じです。