世界三大捨て台詞について

 捨て台詞といっても、チンピラが主役にやられて逃げる時に吐く言葉ではありません。絶望的な状況でも、相手の降伏勧告をはねのけ、戦い続けるための言葉です。例えば・・・

 第二次大戦の末期、ドイツ軍の乾坤一擲の大攻勢アルデンヌの戦いで、ドイツ軍に包囲されたバストーニュの町を守り、ドイツ軍の降伏勧告に対して「Nuts!」と返したマコーリフ准将。この「Nuts!」こそがかっこいい捨て台詞だと思います。この後、バストーニュを解囲まで守り切りました。後に、冥王星会戦で圧倒的なガミラス軍からの降伏勧告に対し、沖田司令官は「バカめ」と返していますが、この逸話を元にしているのは有名な事です。

 さて、二つ目の事例は、紀元前ペルシアがギリシア諸国を征服しようと大軍を進めた際、狭隘地テルモピュライに籠って対抗したスパルタ王レオニダスがペルシア王の降伏勧告に対した捨て台詞。「モーロン・ラベ」超訳:俺の首が欲しけりゃ取りに来いっ)。これもかっこいい。

 そう、捨て台詞とはかっこいいものなのです。圧倒的な敵に対して、不退転の決意で戦う姿勢。それを凝縮したものなのです。決してチンピラのたわごとではないのです。

 

 ところで、人間というものは3つのものに安定を見るもののようです。例えば客先への提案事項についても3つ挙げるのがよいとされています。2つではもの足りない。4つでは多すぎて把握しきれない。比較して1つを取り上げるにしても、二択では何か選ばされている感じがするし、4つだと比較が複雑になりすぐに決められない。3つがいいのです。

 

 なので、今回のタイトルにあるように世界三大捨て台詞としましたが、実は上記の2つ以外思いついていませんでした。なので、少し考えてみましょう。

 

 例えば大坂夏の陣の折、真田幸村が吐いた言葉「関東勢百万も候へ、男は一人もいなく候」。圧倒的な敵に対していい感じではあるのですが、どっちかというと捨て台詞というより挑発しているような感じがします。

 アレクサンドロスの東征時、ペルシアとの最大の戦いガウガメラで、夜襲を進言する家臣にアレクサンドロスはこう言いました。「私は勝利を盗まない」かっこいいです。でも圧倒的な敵に対してというのは合っていますが、家臣に対して言った言葉ですしね。

 中世のイタリアで、幼い自分の子供を人質に取られて開城を迫られた女城主が、スカートをガバッと捲りあげて「そんなものは、ここからいくらでもひりだせる」と言って相手の大将(男)を唖然とさせたという例があります。これもいい感じではあるのですが、どうも男には理解しがたい感じです。対戦相手が圧倒的で、「そろそろ投了したら」と言ってきた時に、おもむろにズボンをずり下ろしてこんなことを言ったら、対戦してもらえなくなるどころか出入り禁止になりそうです。

 

 そうなんですね。対戦していて負けそうな時に言ってみたい。そして勇気を奮い起こしたい。それが、目的で、こんな駄文を書いているのです。

 まあ、歴史上から持ってくる必要はありません。自分で考えて、いざというときに使うのもいいのかもしれません。

 例えば・・・

「ワイのビクトリー号が泣いている・・・」

 ビクトリーは王将(旗艦)だからなぁ。

「ディオ・ロ・ヴォーレ(神がそれを望んでおられる)」

 それ、降伏決定じゃん。

「勝利の美酒を君に捧げよう。」

 それ負けてんじゃん。

「勝ったと思った方が勝ちなのである。」

 ただの負け惜しみですね。そんな事を言う人がいるから日本は負けたのです。

「投了などというのは、敗者のすることだ」

 まあ、その通りですね。

「あの丘を越えれば、見た事が無いものが見られるかもしれない。」

 完全に自分の世界に逝っていますね。

 

 どうもいい感じのものがありませんね。なんか、こう、圧倒的な相手に混乱状態にされられた時にうまいことを言ってみたい。

 「ワイのダイスが望んでおられる」と言っておもむろにダイスを振る。・・・あ、ピンゾロ。戦禍10。凶暴化だぁ。ガタン(ゲーム卓をひっくり返す音)