ASL SK2のシナリオ10はイタリア軍が有利? その2

 さて、前回の続きです。

 第2ターンイタリア軍ですが、回復フェイズではDMになった分隊のみの回復の対象になります。7(士気値)-4(DM)+1(林)=4以下が出れば回復します(17%)。出なかったとします。

 イタリア軍はひたすら西に走るので準備射撃フェイズは飛ばします。

 

 移動フェイズでは、北の方の先に行っている小隊をまず動かします(後ろの方の小隊を先の動かすとスタック制限に引っかかる)。1へクス動いた段階でギリシア軍2-6LMGによる臨機射撃を受けます。他の分隊は射程(5へクス)外なので撃てません。

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第2ターン イタリア軍移動フェイズ

 ダイス補正はFFMO-1と指揮官-1で-2です。IFTの2FP欄では6以下でPIN以上の結果になりますので、出目8があれば足止めできます(72%)。PTCは8-0指揮官と3-4-7分隊それぞれ行います。PINもしくは混乱する確率は72%×28%(20%)と72%×42%(30%)です。分隊の方は3個ありますが確率的には1個分隊を混乱させるのも無理でしょう。

 移動を続けます。〇印(O9)まで移動して終了です。次の突撃フェイズに木造建物に入ります。

 次に後ろの小隊(8-0指揮官、2個分隊、LMG)ですが、へクスI10でギリシア分隊から、J9でLMGから臨機射撃される可能性があります。J9におけるLMGの射撃は先の小隊と同じで確率的に効果がないと思われます。そこで、I10における4-5-7分隊4個からの射撃(16FP)ですが、LMGを加えて18FPにしてもIFT上意味がないので16FPとします。

 なお、I9の麦畑に入るとLOS妨害で+1DRMですが、0.5MF余計に使うのでどっちがいいか悩みどころです。

 第1ターンのギリシア軍前進射撃フェイズの計算と同じですが、今回はFFMOの-1DRMがありますので97%×42%です(出目11以下でNMC以上)。しかし、今度は2個分隊しかいませんので、確率的には0.81分隊の混乱で、結果効果がなかったことになります。

 

 南の方の2個小隊は林でLOSが遮られているため、臨機射撃を受けずに移動できます。

 第2ターンイタリア軍の終了時は下図のようになります。

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第2ターン イタリア軍終了時

 第2ターンのギリシア軍の回復フェイズでは何も起きません。正確に言えばギリシア軍の援軍が来る可能性がありますが、第2ターンでは33%の確率なので、来なかったとします。来た場合はラッキーだったといえるでしょう。この場合、北と南のどちらから出現させるかは悩みどころです。どちらも概ね2個小隊のイタリア軍が残っていますので。

 ギリシア軍もイタリア軍を追いかけるため、準備射撃フェイズは飛ばして移動します。移動の結果は下図のようになります。

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第2ターン ギリシア軍移動終了時

 O9にいるイタリア軍LMGのみ8-1指揮官が率いる小隊に臨機射撃できますが、第1ターンの時と同様に効果がないと思われます。ただしCXがない分DRMはよくなりますが。

 防御射撃はなしとして、ギリシア軍の前進射撃フェイズですが、北方では第1ターンと異なり8-1指揮官の下の3個4-5-7分隊と2-6LMGのみしか撃てません。合計FPは14FPで、IFTは12FPの欄になります。確率は83%×42%で、2個分隊では0.69分隊の混乱、効果なしと言えます。

 一方、南の方は、2-6LMGしか撃てません。しかもVASSALではLOSが通らないとしています。多分通ったとしても効果は薄いでしょう。

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ギリシア軍からの射撃(LOSが通らない?)

 後はざっと飛ばします。第3ターンのイタリア軍の終了時は下図の通りです。DMになっていた分隊は潰走しています。

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第3ターン イタリア軍終了時

 第3ターンのギリシア軍回復フェイズで増援がくる確率は67%です。ここで登場したとしても、北と南の両方から合わせて17VP分を混乱もしくは除去しないといけません。現状26VP(4指揮官、9完全分隊、4半個分隊)います。

 現在マップ上にいるギリシア軍はCXしないとイタリア軍に撃ちかけることができません。当然-1DRMになります。

 

 なんとなく確率をもてあそんでいるように見えるかもしれません。前にも書きましたが1MC以上は考慮していないので、実際にプレイすれば違う展開になると思います。とは言うものの、安易に流れることなく、厳しめの結果でも勝てるように考えることが重要と思います。以上の思考実験で、何か落とし穴があったでしょうか。私はまだまだASL(しかもSK)の初心者ですので、違う戦術や見落としたルールがあるかもしれません。お分かりになりましたら教えていただければありがたいです。

 

追記

 本文の例で、12FPでDRMなしの射撃でNMC以上の結果が出るとしたケースでは、士気が7で34.7%、士気が8で23.1%でした。厳密に1MCなどのDRM付きMCを計算すると、それぞれ45.7%と36.0%でした。上記のイタリア軍の結果よりはもう少し悪い結果になりそうです。具体的には第1ターンに南側のイタリア軍の1個分隊が、第2ターンに北側の1個分隊が混乱する可能性があります。それでもギリシア軍が勝つためには、まだまだ減らし足りないと思います。

 

追記2

 いろいろと試してみて、ギリシア軍の増援が2ターンか3ターンに来れば頭を押さえて勝ちやすいようですが、4ターンではもう間に合わないようです。勝率70%ってそういうことでしょうか。

 分隊の火力を見るとギリシア軍が4FPなのに対しイタリア軍は3FPです。IFTでは1コラム異なってきます。また通常射程も1へクス少ないのでアウトレンジで攻撃されると弱いかもしれません。この辺りもイタリア軍が不利と見なされる原因でしょうか。