山崎の戦い その4

 では、具体例をば。相変わらずVASSALにお世話になります。マップを広げる場所がないのと、セットアップが面倒なのと、写真を撮るのが下手なので、VASSALのスクリーンコピーはとても便利です。

 Bの池田恒興が攻撃します。動くので「進撃」です。光秀方は防御命令なので「槍衾」になります。目を瞑ると情景が見えるようです。

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池田勢の移動

 ここで、攻撃側と防御側の戦闘タイプ表のおさらいをします。これは複雑そうに見えてえらく単純です。

 攻撃側が攻撃するために移動するなら「進撃」です。一方防御側は攻撃側が移動したなら「反撃」か「槍衾」かのどっちかです。

 攻撃側がすでに隣接している防御側に攻撃を仕掛けるなら、どちらも「乱戦」です。すでにくんずほぐれつのチャンチャンバラバラの世界です。

 つまり、「進撃」―「反撃」、「進撃」―「槍衾」、「乱戦」―「乱戦」の3パターンしかありません。上の例では「進撃」―「槍衾」で、そのままで次に戦闘がおこるなら「乱戦」―「乱戦」になるでしょう。

 目を瞑って想像してみてください。円明寺川をはさんで対峙する両軍。池田勢が槍を腰だめに構えて「えいえいおぅ!」と突進していきます。対する光秀方は槍を水平に構え待ち受けます。池田勢が川を越え槍合わせが始まります。この段階が「進撃」―「槍衾」。それから戦列が崩れていって、刀を抜いて「乱戦」―「乱戦」が始まります。

 

 さて、まずは「進撃」―「槍衾」です。戦いの組み合わせを決めますが、隣接する敵ユニット全てに攻撃しないといけないという、よくあるルールです。今回の例では組み合わせが簡単になるように1対1にしてあります。

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戦闘の組み合わせ

 組み合わせを上図のように上からB2-3vsB2-2B2-2vsB1-2B0-2vsC2-2(この書き方が適正かどうかわかりません)です。さて、補正についてです。赤と青の両方のサイの目に修正します。

 

赤サイ補正:+攻撃側兵力-(防御側練度+防御側兵力)

 

 青サイ補正はユニットの「数値」、「状態」、「命令」、「地形」を基本とします。それに追加して「その他」があります。「状態」はユニットが裏返っているとかいうことで、「統制(最初の状態)」、「動揺(動揺マーカーが乗ります)」、「混乱(裏返し、ASLなんかと同じですね)」、「疲弊(疲弊マーカーが乗ります)」、「除去」の順に悪くなります。動揺マーカーには1本線(切り傷?)、疲弊マーカーには3本線が描かれていますので、差を計算しやすくなっています。つまり、統制=0、動揺=1、混乱=2、疲弊=3と覚えるとわかりやすいです。

 

数値:+攻撃側練度-防御側射撃力

状態:攻撃側と防御側の差の分だけ±します。一番悪い状態のユニットを使います。

命令:移動命令、再編成命令の場合±2します。防御側は全て、攻撃側は1ユニットでもあれば適用します。

地形:地形効果表参照。基本的に移動力2以上かかるところで-1補正があります。攻撃側はこのようなヘクスサイドを超ええる場合は、やはりペナルティがあるということです。

その他:支援されているか、突撃しているか。

 また、統率値(―印)を持つユニットの場合、赤サイと青サイのいずれかの補正に使うことができます。

 

 図の例では、以下のようになります

B2-3vsB2-2

赤サイ:+3-(2+2) = -1

 攻撃側は兵力のみでぶつかっていきますが、防御側は兵力のみならず練度でカバーしています。

青サイ:+2-1(数値)±0(状態)±0(命令)-1(地形)±0(その他)±0(統率値) = 0

 数値の所では、光秀方の津田信春は鉄砲(●印)を持っているのでマイナスします。

 状態は同じなので相殺されます。

 命令はどちらも移動、再編成ではないので補正はありません。

 地形は川越え(点線のへクスサイド)なので-1です。

 その他は、ここで戦闘陣形の「突撃」を使う場合はプラスされますがここでは使いません。

 統率値(―印)は、両方とも青サイ補正に追加いますが、1つずつ持っていますので相殺されます。

 

 全体として、赤サイー1のみなので、少し攻撃側が不利です。とはいえ、攻撃側の統率値を赤サイに持って行っても、今度は青サイが-1になります。

 そこで、戦闘陣形の「突撃」を使うと青サイ+2できます。結果赤サイ0青サイ+1の補正値になります。「突撃」は、前に戦闘陣形の選択の時におすすめした「鶴翼」の場合は4回、「車懸かり」の場合は6回使えますが、戦闘の焦点は秀吉方の左翼なので、右翼の池田勢に使うかどうかは考えどころでしょう。

 

 また2ページをオーバーしました。続きはWebで!ではなく、次回に。

 

 そうそう、ユニットの射撃力と統率値の覚え方ですが、私には射撃力の●印がこちらに向いた銃口に見えます。また、統率値の―印は軍の階級章のラインに見えす。そんな感じで覚えています。