山崎の戦い その3

 さて、ゲームスタートです。ショートシナリオではすでに両軍が対峙していますので、どちらから仕掛けるかはチットの引き次第です。

 ここで、戦闘陣形は既に発動済みなので、命令ポイントを溜める必要はありません。軍勢チットを入れてしまいましょう。で、その数ですが、サイコロを振って決めます。長久手と比較すると山崎は命令ポイントが多めです。この命令ポイントの量は総大将の戦術能力を示しているのでしょうか。流石は光秀、秀吉。しかも天王山を占拠していると、ただで軍勢チットを1つ入れられるので、実質命令ポイント+1(秀吉方は)。ちなみに長久手はマイナス補正しかない。

 どの軍勢チットを入れるかですが、秀吉方はどんどん戦わせたい場合は攻撃命令の軍勢を、後ろにいる連中を早く前線に投入したい場合は移動命令中の軍勢を入れます。貯めておいて、後で一斉に攻撃とかでもいいです。光秀方はほとんどの軍勢を防御命令にしているので、村上勢のみ入れるか、右翼で攻撃命令にした軍勢にして秀吉方左翼が包囲しようとするのに対し蓋を塞ぐようにしてもいいかもしれません。

 

 強制行動の行軍チットが引かれたとすると、あまりここで記述することはありません。行軍命令ではEZOCに入れないので、言ってみれば戦略移動です。道路移動も使えます。まるっきり他のゲームでの戦略移動と同じですね。

 

 では池田恒興の軍勢チットが引かれたとしましょう。さあ、お待ちかねの攻撃です。

 

 その前に、ここで戦闘結果表を見てみましょう。青サイと赤サイを2個ずつ振ってマトリックス参照します。戦闘結果表では左上から右下のサイの目が同じライン(図の赤枠)を境に右上側と左下側でほぼ対称になっているように見えます。なら、サイの目が同じ部分のみでサイコロ2つでいいじゃんとか思いますが、デザイナーは何らかを意図してこうしたのでしょう。その解は多分ダイス補正にあるかと思います。

 

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戦闘結果表

 戦闘結果表では、赤サイの方が青サイよりも範囲が広い(1以下~13以上)です。これは、赤サイの方を重視しているということでしょうか。で、赤サイの補正は何になるかというと、基本は「兵力」です。槍衾と乱戦では、さらに練度が加わります。チャンチャンバラバラやっているときは、個人的な武勇や集団の連携といった練度が兵力との互換があるということでしょうか。

 一方、青サイの方は、疲労度や命令状態、地形補正といったどちらかというと軍勢指揮官の戦術能力を表しているような気がします。例えば、適切に休憩を入れているか(疲労度)、状況にあった命令を発しているか(命令状態:命令変更は本陣から来ますが、実際に命令変更のダイス補正は軍勢指揮官の統率値)、地形をうまく使っているか(地形補正)といった具合です。ただ、進撃と反撃(槍を構えてワアァっとぶつかっている槍合わせ)の時は練度が青サイの補正になります。この辺はもっとよく考えないとデザイナーの意図が私にはわからないです。練度を兵力互換と見なさず、別のものと見ているということですが、私は今のところその意図がわかりません。思いついたら追記しましょう。

 その他、戦闘結果表では防御側の方が損害が出やすくなっています。また、青サイの補正値側(同じ賽の目ラインの右上側)の方にも結果が出るようになっています。例えば赤サイ12青サイ4は結果なしですが、赤サイ4青サイ12ではdRになっています(図の赤の破線)。ただし両軍痛み分け(a1-d1)はそうなっていません。青サイ10以上なら両軍痛み分けがありません。防御側を叩くより自軍の損害を抑えたということでしょうか。

 これを通常のゲームの戦闘結果表のように仕上げるなら、赤サイの部分を戦力比や戦力差といった兵力をベースにした固定パラメータにするのでしょうが、ここでは、軍勢指揮官の指揮よろしきがあれば小部隊でも大部隊を撃破できる可能性があるということを示しているのでしょう。つまり、狼に率いられた羊の群れは、羊に率いられた狼の群れに勝てるということです。まあ、振り幅が大きい気がしますが。

 この戦闘結果表からは、青サイの補正が大きい方が有利と読み取れます。まあ、どんなに青サイ補正が大きくても(指揮がよくても)、赤サイでピンゾロを出すような運の無い指揮官ではだめでしょうが。

 

 では具体例を、と思ったら、もう余裕がなくなってしまいました。これはWordで一度文書を作ってから転記していて、Wordで図を入れて2ページ超えるまでを一段落としていますので、申し訳ありませんが、具体例は次回とさせてください。