ゲームルールの短縮化

 最近、ゲームを作っています。とはいっても本格的なものではなく、冗談ゲームですが。アイディアの段階では、それほどルールが多くないような感じでしたが(冗談ゲームですし)、いざ書き出してみると多くなる事、多くなる事。

 ウォーゲームのルールブックを読む際には、できるだけ抄本を作るようにしています。というのも、多いルールを探すのが面倒なことと、MS-Wordなら目次から本文に飛ぶことができて便利なこと、単語で検索できることなどからです。そんなことをしているからルールを読むのが遅くなるのですけど。

 ウォーゲームのルールを読んでいると、ある程度ウォーゲームをしている人なら不要と思われることが書かれていることがあります。例えばメイアタックと一言だけ書けばわかりますし、特別に書かれていなければユニットの移動は「全ユニットでも、一部でも、全く移動させなくてもよい」というのも自明です。そういったルールは飛ばすようにして抄本を作っています。

 で、ルールの書き方として、こういった基本的なルールと、それ以外のルールを別に書いて、ウォーゲームに慣れた人なら「それ以外のルール」を読めば済むようにすればいいのではないかと思っていたのです。

 しかし、いざ、自分でルールを書いてみると、こういったときはどうするか「明確に」しておく必要があるなあとか思って、案外ルールの量が増えています。結局、明確性を担保するにはきちんと書かないといけないのかもしれないなと思った次第です。ルールは短くならない・・・。ま、とはいえ、同じ事を何度も書いているルールブックはよくないでしょうが。

『The War for the Union』シナリオ6「ミズーリ1861」

 最近は東京の新型コロナ新規感染者が増えていますが、連休中なんだから当たり前だと思います。むしろ来週以降がどうなるかですね。

 

 『The War for the Union』の入門用シナリオとされる「ミズーリ1861」をプレイしてみました。こちらは前に書いたシナリオ1「ブルラン」とは異なり、第2版で追加されたものです。使用する範囲もユニット数も少ないので、こちらを先にプレイする方がいい感じですが、何しろドマイナーな戦域です。「南北戦争 49の作戦図で読む詳細戦記」ですら記述がありません。もし副題をつけるなら「Forgotten Battle」とかになりそうです。第二次大戦で言えばムルマンスク戦あたり。

 「ブルラン」の方はシナリオのセットアップや特別ルールに1ページ割いていましたが、「ミズーリ」は0.5ページしかありません。指揮官は北軍がリオンと増援のフレモント、南軍はプライス。なので、移動・戦闘ができるスタックは北軍2個、南軍1個です。勝利条件となる都市は4つですが、事実上真ん中の1つ(スプリングフィールド)だけで争うことになります。

シナリオ6「ミズーリ1861」の全体範囲(赤線の中だけ使用)

主要戦場(カッコ内の数字は勝利ポイント)

 初期状態では南軍がフェイエットビルとスプリングフィールドを占領していて、合わせて3VP。2VPで引き分け、3~4VPで南軍の作戦的勝利。1VPで北軍の作戦的勝利です。初期状態のままなら南軍の作戦的勝利で終わりますので、北軍が攻めないといけません。指揮官の能力は、登場指揮官全て統率可能兵力が4戦力で同じですが、指揮補正値は北軍のリオンは2、南軍のプライスは1、増援で来る北軍のフレモントは0なので、北軍が若干有利ではあります。ただし、ジェファーソンシティのリオンとともにいる初期戦力は1のみ。南軍の増援はスプリングフィールドに出現しますので、プライスはスプリングフィールドに行けば最終的に4戦力ゲットできます。北軍の増援が登場するセントルイスから鉄道輸送で毎ターン1戦力を送れます。

 また、南軍は志願騎兵が1戦力あるので、移動に関しては指揮官無しでも可能です(戦闘はできません)。前回(「ブルラン」)でレイドの怖さがわかっていますので、これをうまく使えるかどうか。

 ターン数は1861年7月の第1ターンから1861年12月の第6ターンまで。これは「ブルラン」と同じです。ただし動かせるユニットが少ないのでサクサク進みます。

 

 さて、作戦を考えます。南軍は現状維持で勝てますが、増援を含めますと北軍の1/2の戦力しかありません。また指揮官は1人なので2人指揮官がいる北軍と機動戦を行えば1人に対応している間に、もう1人がスプリングフィールドを占領することになります。基本的にスプリングフィールドに籠城するのが最善と思われます。志願騎兵がいないと3戦力しかありませんので攻撃側になるのは不利です。志願騎兵を組み込んだままにするか、遊撃兵として活用するかが思案のしどころです。遊撃兵とするなら北軍占領都市を狙うのが正解と思われます。スプリングフィールドが落ちても勝利点が得られます。

 一方、北軍は早期にスプリングフィールドを狙うか、戦力を貯めてから動くかのどちらかかと思われます。早期に動く場合は戦力不足のままスプリングフィールドを攻撃しないといけないので、かなり厳しい。1-1が立たないと南軍を退却させることができません。それでも確率1/5。戦力を貯めてから動く場合は、最後の増援が10月なので、これをジェファーソンシティにいるリオンに鉄道輸送する場合は次の11月のターンから移動となります。最終ターン(12月)にスプリングフィールドを攻撃できますので、ギリギリです。

 

 南軍のレイドについて考えた結果です。

 ①セントルイス狙いをした場合、8月(第2ターン)に増援で来るフレモントで最大戦力4で対応されます。4-1が立ちますので確実に最低でも退却(疲労1)になります。何度も攻撃されれば無力化されてしまいます。今一。

 ②ジェファーソンシティ狙いの場合、リオンが動かなければ手が出せません(志願騎兵は、指揮官無しで移動は可能だが、攻撃はできない)。そうしているうちに4戦力溜まれば(9月に溜まる)やはり同様に4-1で攻撃されます。今一。

 ③リオンの留守狙いで遠隔地に待機している手も考えましたが、志願騎兵は攻撃できないのでジェファーソンシティに1戦力残されると手が出せません。今一。

 結局、どれも今一でした。全部隊をスプリングフィールドに集結させた場合、12月にはレオン+フレモントが合計8戦力率いてやってきますので、スプリングフィールドは2-1で攻撃されます。この場合、1/2の確率で防御側退却によりスプリングフィールドが落ちます。うん、このゲームの結果が見えた。

南軍志願騎兵によるレイド

 まあ、入門シナリオですから勝率1/2というのはちょうどいいのではないかと思います。さて、次は「テネシー1862」(グラントのレジェンド・ビギン)にしようかな。それとも「戦争の拡大」(1862年シナリオ)にしようかな。

 

文民統制について

 前に書いた『GROUNDLESS』の10巻で、登場人物が「そもそも文民統制って何だ?一体何を基盤にしたシステムだと思う?」と言っていました。確かに、武を持つ者を、武に対する知識も経験もない文官が制御するのは変な気がします。「ペンは剣よりも強し」などと言いますが、マスコミの強がりであることは歴史が証明しています。「虎の威を借る狐」も虎がいてこその話。にもかかわらず、文民統制が当たり前のようになっています。ホントにいいシステムなの?
 物事を善悪で捉えるのは意味がありませんが、良否で捉えるのはいいかと思います。なのでちょっと考えてみました。

 

文民統制は歴史的に進化したシステムなのか?
 中世以前、というよりナポレオン戦争以前は、政治は国王や貴族といった武を持つ者が行っています。戦争の開始や終了の判断も同じ。なので、この時代までは文民統制はありません。ただし、イギリスは異なります。イギリスは首相(ピットとか)や議会が軍人を統制していました。アーサー・ウェルズリーやネルソンは政治に関与していませんよね。
 南北戦争は、両軍とも文民統制が行われていたと思います。特にリンカーンは半島戦役時にマクレランから無断でワシントン防衛兵力を取り上げています。・・・マクレランがやる気をなくしたのも分からないでもない。
 以降は概ね文民統制が機能していますが、太平洋戦争時の日本とかは別ですね。ヒトラーも確か全軍の指揮官であったので文民統制とはいいがたい。その他、ミャンマーの軍事政権や北朝鮮将軍様も違う。となると、考えられるのは議会政治が行われている場合に文民統制が機能しているという事でしょうか。独裁政治では不可能ですかね。独裁者は武力を持たないと安心できないでしょう。
 議会制と独裁制を考えた場合、歴史的には議会制の方が後で発生しています。古代ギリシャアテネの民主制やローマの共和制も議会制と言えるかもしれませんが、どちらもそれ以前に独裁制があります。では、議会制は独裁制より進化しているのか?
 独裁制から議会制に移行したのは、統治すべき民衆の数が増えて利害関係が複雑になったためと思われます。誰かが民衆の利害を調整しないといけないのですが、個人(あるいは少数)では調整しきれないため、不満が個人(あるいは少数)に向かいます。故に独裁制では数が多くなった民衆を制御しきれなくなるのでしょう。議会制は大多数の不満を最小限にする努力がされるので、不満を持つ人の数が少なくなり、議員に対する反抗についてさほど気にする必要がありません。・・・まああまり良い事ではないのですが。
 そう考えると議会制=文民統制は、人類の数が増えていくという事を考慮すると、歴史的に進化したシステムであると言えそうです。

 

文民統制はシステム的に良いのか?
 では、文民統制システムの利点と欠点について考えてみます。
利点)
武官が戦争の開始や終了を考える必要がない(戦う方法だけ考えていればいい)
軍事を弄ぼうとする軍人を排除できる
軍国主義的な閉塞感がない(秘密警察や密告等)

欠点)
決定が遅くなる(衆愚)
議員(=民衆)の感情による開戦が強制される
文官は戦争に対する知識や経験がないため、開戦を安易に考えやすい
予算・資源配分の公平性欠如で適正な戦力保持が困難になる(保険的な軍備より目の前の災害対応等に割かれる)
文官と武官で戦争についての共通認識が生まれにくい(拠って立つ基盤が違う)
文官の能力・質は把握しにくい(武官は戦闘の勝敗で分かりやすい)

 

 ぐう。なんか欠点の方が多い?いや、もっと考えを深化させる必要がある気がします。

 

文民統制は何を基盤に置いたシステムか?
 『GROUNDLESS』の中で、作者の考えが載っていますが、それは取り合えずおいておいて。
 見てきたように歴史的には進化したシステムとはいえ、最良のシステムとは言えないようです。それなのに、なんで採用されているのか。
 太平洋戦争の前に山本五十六が「半年や一年は暴れてみせる」と言ったというのは有名ですが、その意図はいろいろと解釈されているようです。私は、やはり軍人は戦ってこそ存在理由があるので、山本五十六も海軍は戦えるのだという事を示したかったのではないかと思います。軍事を弄ぶというほどの事ではないでしょうが。
 手にしている物を使ってみたいという欲求は当然あるわけでして、軍人が武力を使用するかしないかを決められるのでしたら使用する方に傾斜するのは当然と思います。文民統制なら、それに制御をかけられます。
 そういった事を民衆が期待することで文民統制システムが成り立っているのだと思います。
 ただし、上記の欠点にあるように、民衆が開戦を期待するようになった場合、軍人が不可だと思っていても戦争が起こります。ここにこそマスコミによる世論操作が大きく関わってきます。マスコミが商業主義に陥った場合、民衆迎合と世論操作の相乗効果で一気に開戦へ進んでいくのは日露戦争や太平洋戦争でも経験済みです。

 

 うーん。結局、最良のシステムというのは何なんでしょうかね。まあ、まだまだ勉強不足なので、とりあえず今の段階ではここまででしょうか。利点・欠点ももう少し考えてみたいと思います。

ティーガーIのペーパークラフト

 歴史群像の最新刊(2022年6月号)を買ったら、ティーガーIのペーパークラフトが付いていました。前回(2021年8月号)の戦艦大和に続いて2回目です。もしかして、このシリーズを続けるのかな。

 戦艦については「世界の軍艦」(誠文堂新光社)を持っていましたが、調べたら「世界の戦車」というのも同じく誠文堂新光社から出ていたのですね。ティーガーIなら多分あったのでしょう。元となるものがあるなら、他の戦艦や戦車もいずれ付録になるかもしれません。

 また、これを使ったジオラマも大和の時のものはとてもきれいに作られていました。昔ウォーターラインのジオラマ写真集を持っていましたが、皆さんとてもきれいに作っていました。それを思い出します。懐かしい。もっとも、全部実家に置いていたら捨てられましたが。モッタイナイ。

 まあ、不器用な私は作ることはないと思います。ティーガーIのメタルクラフトも手を付けていませんし。

 

(追記)

 調べたら「世界の戦車」の内容は、ロンメル(ヤークト・パンツェル)、キングタイガー、SU-100、M551(シェリダン)、センチュリオンルノーFT-17、89式、カーデンロイドでした。すげぇ微妙。

創造物に関する日本人と西洋人の美的感覚の違い

 『マップブックIシティ編』(グループSNE)を買いました。地図好きなもので。

 この本は、RPG(ロープレの方)で使えるような都市などの地図が21種類載っています。作者はクロンプトンという人で1993年に作られたものです。いろいろな都市やダンジョンの様なものが載っています。普通の都市だけではなく、木のうろや牢獄などもあります。

 さて、これを見て、すぐに日本人の画家ではないなと感じたのでした。大体この手の絵を見ると日本人が描いたのかそうではないかがわかります。でもなんで?

 ロープレやゲームブックなどのファンタジー系の本で、翻訳物は大隊挿絵も向こうのものを使っています。なのであちらのものは結構見慣れています。それもあるのでしょうが、どうも感覚が違う気がします。なんで?

 考えてみました。

 スクリーントーンの使用率が少ない。塗りつぶし(ベタではなく)の感じが異なる。線が太い。建物が幾何学的に整列している。

 最後のはよく言われることです。特に庭園。西洋式庭園は幾何学的だが、日本庭園は非幾何学的で石とかがバラバラに配置されている、と。日本人画家の手ではないと感じるのは、そういった感覚が違うせいででしょうか。

 ふと気になって、ASLのマップを見てみました。・・・別に幾何学的ではないな。まあ、きれいに並んだ建物では、戦術に幅が無くなりすぎてつまらないですしね。

 さらに気になって、ヒストリカルマップを見てみました。『Hatten in Flames』では部分的に幾何学的に並んでいるところがあるなぁ。『Red Factories』は幾何学的だ。特に道路が幾何学的だ。直線道路が多い。戦いにくそう(砲のLOSが通りやすい)。

 古い町と新しく作られた町では、やはり作りが違うようですね。うーん。やっぱり地図は面白い。

 それにしてもASLの汎用マップは、もちろん創造物ですが、西洋人が作ったものと日本人が作ったもの(あるかどうか知りませんが)は異なったりするのでしょうか。ヒストリカルマップなら日本での戦いでもそれなりの地図になりそうですが、汎用マップでは、彼らはどんな地図を作るのか。・・・そういえばSK#4を持っていました。で、見てみたら、ただの汎用マップだった。

『The War for the Union』(Compass Games)

 道志村の女の子行方不明事件のニュースを見ていると、レポーター兼コメンテーターの「元刑事」の人が、やたらと誘拐・殺人事件にしたがっているように見えます。この人は当時何回も現場に来ているそうで、その時発見できなったので誰かが後から置いたことにしたいらしいです。思わず笑ってしまいました。失敗した事柄に対し、それを糊塗するような発言や態度を取るという事は、いろいろな人間心理関係の本で書かれています。まさに典型例です。こういう事件だと決めつけるような態度が冤罪を生みやすくするのも、いろいろな冤罪関係の本に書いてあります。この人は「元」刑事なので、警察を辞めたのは冤罪の減少に役に立っているでしょう。また、「元」衆院議員だそうで、こんな人に政治を任せなくてもよくなったというのは、国民の幸せというものでしょう。それにしても、あちこちのテレビ局に出ていますので、影響力だけは大きいようです。危ういかな。危ういかな。

 また、別の「元」刑事の人も事件にしたがっているようなコメントをしていましたが、こちらはどうも事件にしたがっているマスコミに乗せられている風でした。マスコミとしては、事件の方が視聴率が取れますからね。危ういかな。危ういかな。

 

 さて、南北戦争に関する勉強の一環として、戦略級の『The War for the Union』を購入しました。デザイナーは「ルールを2回読んでからシナリオ1『ブルラン』をプレイすることを推奨」していましたが、横着な私は1回だけルールを読んでシナリオ1にチャレンジしてみました。どのみちルールは何度も読み返さないといけませんしね。

 シナリオ1は基本的なルールの把握のためのチュートリアルのようなシナリオです。東部戦域だけ(しかもフロリダを除く)しか使いませんし、さらにその中でも北部の方しか使いません。というか、南北戦争では1964年末になるまで、ジョージアサウスカロライナノースカロライナってあまり使いませんね。

 ターン数は、1861年7月から12月の6ターンをプレイします。史実では、この間に第一次ブルランの戦い(1861年7月21日)があり、その後は大きな動きがありませでした。

 このシナリオの勝利条件は南部連合国側の補給許容量(都市支配数)によります。初期配置のままの場合は引き分け、南軍が補給許容量1の都市1つ取れば南軍の勝ち、北軍は補給許容量4取る必要があり、これは都市2~3個に当たります。つまり、北軍は攻めないといけません。ではどこを取るか。補給許容量2の都市なら2つ取ればいいので、手近なところでは両軍の戦力が対面しているウィンチェスターと、マナッサス南のフレデリックスバーグが近いです。南軍はアレクサンドリアがいい感じです。

マップ全景とシナリオ1の範囲

主戦場付近

 このゲーム(というか大抵の戦略級南北戦争ゲーム)では、指揮官がいないと移動、戦闘が行えません。セットアップ時には、北軍マクドゥエル(ワシントン)とバトラー(モンロー砦)、南軍はボーリガード(マナッサス)、ジョゼフ・E・ジョンストン(ウィンチェスター)とマグルーダー(ヨークタウン)なので、移動、戦闘が行える回数が少ないです。8月に北軍はマクレラン・ザ・慎重居士がやってきますので、3対3になります。11月に名無しの師団指揮官も来ますがさほど能力は高くありません。指揮官の能力的(統率可能兵力と戦闘ダイス修正)には南軍が有利です。

 

 プレイシーケンスは、1ターンは①月間処理、②北軍、③南軍、④ターン終了処理となります。月間処理では昇進、南軍補給許容量計算、補充、南軍徴兵、増援、南軍資源ポイント受領や消費などを行います。シナリオ1では補充と増援ぐらいです。②と③では補給確認、移動、戦闘、管理(鉄道修理、補給判定、砲台回復、水上艦修理、疲労回復)を行います。ターン終了処理では、増援表に書かれたスケジュールで民兵の解散などが行われます。北軍は契約で民兵を集めましたので、契約切れで7月が終わると1/2が除去されます。その前にリッチモンド攻略しようとして起こったのが第一次ブルランです。金かけて集めた兵を遊ばせておくのは「MOTTAINAI」精神で起こった戦いだったのです。南軍は志願兵が主力です。1862年4月以降に徴兵が始まりますが、シナリオ1では関係ありません。

 

 第1ターンの月間処理はほぼやることはないので、北軍プレイヤーターンに入ります。とはいっても、動かせるのはマクドゥエルが率いる部隊、鉄道移動3戦力分、河川輸送だけです。河川輸送船はボルチモアの1つだけですので輸送可能なのはボルチモアの1戦力もしくはどこかで拾った1戦力(2戦力分)だけです。鉄道移動もEZOCには入れませんので初回の戦闘には役に立ちません。

 史実通りマクドゥエルがワシントンの6戦力を率いてマナッサスにいるボーリガード4戦力を攻撃します。第一次ブルランの戦いです。

 このゲームの戦闘システムは戦力比ですが、1-1、2-1とかだけではなく3-2とか5-2とかがあります。また攻撃側も防御側も疲労度やヘクスサイドによっては戦力の1/2とか3/4とかを計算しないといけません。これらは累積します。すご~く面倒・・・。戦力修正して戦力比を計算したら10面ダイスを振ります。ダイスにも修正値があります。幅は-3から14まであり、1振りで攻撃側と防御側の結果が出ます。まあ、慣れれば問題ないかもしれませんが、戦闘が結構面倒です。

 第一次ブルランの戦力比は、どちらも疲労もしていませんし地形修正もありませんので3-2です。ダイス修正は、マクドゥエルとボーリガードの指揮修正差-1、北軍民兵、南軍が志願兵なので-1、疲労や地形修正がないので合計-2です。10が出ました。修正した8なので3-2の8はM/M(R)。損害はL(少)、M(中)、H(多)とあり、少ない方の戦力とこの結果から戦力損失数が出ます。(R)は1ヘクス退却です。Mの場合は疲労度+1、Hは疲労度+2、退却はさらに疲労度+1になります。疲労度3以上で攻撃が行えなくなり、またZOCも無くなります。損害Lは疲労はしませんが成果も出にくくなります。

 第一次ブルランの戦いは、史実に反して北軍が勝利しました。双方1戦力を除去し、南軍はフレデリックスバーグに退却します。・・・以上。他にやることがない。ちなみに第1ターンの終了時には北軍は全民兵戦力の1/2が契約終了で帰郷してしまいます。ごっそり抜ける・・・。なので後方戦力を鉄道輸送してもあまり意味がありません。どのみち前線よりは後方の戦力から除去していかないといけませんので。

第一次ブルランの結果とターン最後に除去予定北軍民兵(青丸)

 第1ターンの南軍はあまり大きな動きがありません。次のターンに北軍フレデリックスバーグ攻略が始まるかもしれませんのでボーリガードは疲労度回復に努めました。ウィンチェスターのジョンストンも無理攻めしても仕方がないので動かず。リッチモンドの志願騎兵(指揮官無しでも移動可能)がアパラチア山脈の方に移動したのと、河川輸送でマグルーダーに2戦力を送っただけでした(合計4戦力)。これでモンロー砦に圧力をかけます。とはいえ、とても攻撃できませんが。

 第2ターンから増援がやってきます。北軍はマクレランと10戦力、南軍は4戦力です。全体として北軍の方は増援戦力が多いですが、戦闘では一段落ちる民兵です。南軍は増援が少ないですがダイス+1修正がある志願兵主体です。増援が配置可能なのは大都市で、北軍はワシントン、ボルチモアフィラデルフィア、南軍はリッチモンドです。

 北軍の移動は、マクレランは増援とともにウィンチェスターのジョンストン攻撃に移動して、ジョンストンの後背を突くためにバトラーがモンロー砦からワシントンに河川移動(チェサピーク湾は河川扱い)し、ワシントンで増援を拾ってフロントロイヤルに移動しました。指揮官が不足しているのに、モンロー砦でくすぶらせるのは「MOTTAINAI」。まあ、これでマグルーダーもフリーになってしまいますが。

第2ターンの北軍の移動

 ジョンストンへの攻撃の結果は、両軍とも1戦力ロス。とはいえ、ジョンストン側は兵力が少ないので痛いです。

 さて、南軍ですが、実は志願騎兵を使ってレイド(襲撃)を考えていました。第1ターンにアパラチア山脈に入った騎兵を、北軍民兵がいなくなったチャールストンに行かせて補給許容量をゲットしようかと。4ターン(10月)には届きます。連絡線が通りませんが、補給は都市の許容補給量分の戦力は賄えるので補給切れにはならない。実はこれが結構北軍には痛かった。

チャールストンへのレイド

 第2ターンはジョンストンがバトラーを攻撃して退却させます。とはいえ連絡線が切られています(EZOC不可)。

第3ターン開始時

 第3ターンはマクレランがジョンストンを退却させてウィンチェスターを占領(南軍補給許容量-2)、バトラーがシャルロッテビルを占領(南軍補給許容量-1)。一方南軍はボーリガードがマクドゥエルを撃破しマナッサスへ進撃。そしてマグルーダーがリッチモンドの援軍を率いてバトラー攻撃に向かいます。

第4ターン開始時

 第4ターン、少しゲーム的ですが、マクドゥエルがワシントンに寄って増援を率いてジョンストン攻撃に移動、ジョンストンに対峙していたマクレランもワシントンに寄って増援を引き連れボーリガード攻撃に移動しています。ワルツのようです。そして、ついにマクドゥエルがジョンストンを撃破。ジョンストンは戦死せずにボーリガードと合流しました。また、マクレランはマナッサスにいるボーリガードを攻撃し第二次ブルランの戦いを起こします。ボーリガードが敗退しフレデリックスバーグに退却しました。このターンはチャールストンへのレイドが成功しています。また、別の志願騎兵がバトラーの後背を突いています。この頃になると北軍の増援が余って、ワシントンでブラブラしています。なので、指揮官が単身ワシントンを経由して移動することで、増援を効率的に使用する必要があります。ワシントンが遠くなった場合は、アレクサンドリアに鉄道移動3戦力、河川輸送2戦力の合計5戦力移動できますので、こちらに行けば増援が手に入ります(ただし移動可能は次のターン)。

第5ターン開始時

 第5ターンは北軍2-0-5師団指揮官(名無し)が来ますが、戦場が遠くなったので接敵できませんでした。マグルーダーの攻撃でバトラー軍が全滅。カルペパーに到着していたマクドゥエルの所にバトラーは逃げました。

 現状では南軍補給許容量は、チャールストンの+1とウィンチェスターの-2。北軍が勝利するにはシャルロッテビルの-1とフレデリックスバーグの-2が必要です。

第6ターン開始時

 マクドゥエルと師団指揮官の戦力を合わせてもマグルーダーには1-1の比しか立ちませんでした。何とか退却の結果が出ればシャルロッテビルを占領できます。

 一方、フレデリックスバーグの方は小河川越えと森林に兵の質と指揮官の指揮補正で2-3しか立ちません。

 結果、どちらも占領できず北軍の敗北が決定しました。

 チャールストンの+1がなかった場合、全力でフレデリックスバーグを攻撃できたのでもう少しましだった気がします。レイド(襲撃行)、怖い。

 

(追記)

 後で気が付きましたが、フレデリックスバーグの南軍補給許容量は1でしたので、どのみち北軍の勝利には足りませんでした。北軍はウィンチェスターと、ストーントンもしくはシャルロッテビル+フレデリックスバーグの占領が必要ですね。結構厳しい気がします。

政治業者の商売道具は言葉です

 失言して取り消すぐらいならしゃべらなければいいのに。まあ、所詮言葉が軽いから『政治家』などとは言わず、『政治業者』と呼んで蔑んでいるのですが。維新の三元勲よりも後の政治かは小物になったとよく言われますが、一言一言が軽くなったんでしょうね。やはり西郷、木戸、大久保は言葉に重みがあったのでしょう。俊輔、聞多などは、こう呼ぶ方がしっくりくる感じです。齢を取った後でも。もっとも三元勲のみならず維新志士の多くは若くして死んだので、もし生きていたらどうなったかはわかりませんが。高杉晋作なんかはただの飲んべになっていたかも。