ちょうど読み始めたところでNAWの諸国民の戦いが付録に付きました。
この本は、古代、中せ、近世の主に西洋の戦闘技術について書かれていて、第4巻の本書が最後です。ちなみに東洋は別編になっています。本書の内容は「第一章歩兵の役割」、「第二章騎兵の戦闘」、「第三章指揮と統率」、「第四章火砲と攻囲戦」、「第五章海戦」となっており、それぞれにナポレオン戦争というよりフランス革命戦争のちょっと前から1815年までの戦闘技術について書かれています。また、ナポレオンの個々の戦いの鳥観図と戦闘の概要が書かれていて、戦闘の流れなどがよく分かります。また、絵画やイラストも豊富で、当時の兵器とか服装なんかがわかります。
特に思ったのは、砲兵についての記述です。各国の砲兵について比較して書かれていますが、プロイセンはフレデリック大王が砲兵や工兵に否定的だったので、ナポレオン戦争当時はボロボロだったという事らしい。一方で、オーストリアは砲兵に関しては先進的なシステムを取っていて、各国も見習ったとか。フランスもナポレオンからではなく革命以前からシステムの更新をしており、ある意味、ナポレオンはその果実を手にしたという事でしょう。砲兵将校であったのも事実ですが。しかし、砲兵が主要な兵科になったのはフリートランとの戦い以後で、NAWですとワグラムが相当します。ライプツィヒは砲兵ユニットがないですから。この本を読むと、砲兵も歩兵支援だけではなく、直接戦闘に投入したくなります。
なかなかいい本でした。