大きなミスは見逃しやすい

 客先に提出する書類のうち、複数ページのリストについて、チェックしたことを示すマークを入れます。これを「検符(けんぷ)」といいます。カール・グスタフ・ケンプではありません。

 検符は黒と赤の2つを別々の人が入れます。そして私は、その検符が抜けていないかチェックしていました。つまりその書類を3人でチェックしたことになりますね。この検符ですが、ほとんど抜けていないのですが、時たま赤が抜けていることがあります。最初に黒でチェックを入れるので、赤を入れた人が黒が抜けているのを発見して入れることができます。が、赤の方は抜けたのを見つけるのは私の役目です。両方抜けていることもありますが。

 この検符のチェックというのは、本来は抜けの無いはずの抜けを探すので、かなり苦痛です。逆に、抜けがあるとちょっとうれしくなります。シラスの中にタコを見つけたようなものです。本来は抜けがあってはいけないのですが。

 ある書類でチェックをしていました。細かくたくさんの行があります。OKしたのですが、客先からクレームが付きました。その書類には、検符とは別に各行5か所のチェックマークを入れる欄がありますが、それらがすべて空欄だったのです。余りに堂々と空欄だったので、逆に気が付きませんでした。

 いしいひさいちの忍者マンガに、謀反を起こそうとする家臣たちが集まって血判状を作り、それを額縁に入れて鴨居に飾って、「こういうものは堂々と飾っていれば気が付かないものだ、ガハハ」と大笑いしている横で、藩主の忍者が「ガハハ」と一緒に笑っているという落ちです。

 そう、同じです。堂々とミスしていたので、逆に気が付かなかったのです。反省。原因はいくつかあります。

・いくつもの書類のチェックがあった事

・チェック期間が短かった事

・昨日書いたように、プログラムの不具合に頭を悩ませていた事

・体調が悪かった事

 後半は言い訳ですが、まあ、今後は注意しないといけません。もっと書類全体を見ないと。今回の最悪は、客先が最初に気が付いたことでした。