『のびのびTRPG ザ・ホラー』(アークライト)

 次は「のびのびTRPG ザ・ホラー」です。

 このゲームは「のびのびTRPG」シリーズの一つで、他にも「スチームパンク」、「ソード」、「マジック」がありますが、もともとは同人(?)のゲームだったようです。あまりテーブルトークRPGを知らない人向けに作られており、説明書も分かりやすくマンガを入れて書かれています。

 内容物は、サンプルキャラクターカードが12枚×裏表2種類、状況設定用のイントロダクションカードが8枚(序)、プレイするシーンの内容が書かれた場面カードが64枚(破)、シナリオの最後に使うクライマックスカードが12枚(急)。また、各シーンの判定で成功した時にひく光カードと失敗した時にひく闇カードがそれぞれ30枚あります。

 最初にイントロダクションカードを1枚引いて状況設定をした後、ゲームマスターGM)役の人が場面カードを引いて内容を読み上げ、その場面の主役である場面キャラクター(場面PC)役の人が場面カードに対するリアクションを行います。次に場面PCがGMになり、場面PCは隣の人に移ります。こうして持ち回りでGMと場面PCを3周行った後で、クライマックスカードを引いてラストシーンをみんなでリアクションします。要は、場面カードを引いて対応するだけですが、そのカードをベースに想像で話を盛り上げていくことがカギとなります。想像力と創造力が大事です。

 で、この場面カードの内容は、まったく前の場面カードの内容が反映されていませんので、つなぎが悪いです。そこを「創造力」と「想像力」を駆使して繋げていくことが肝でしょう。初心者向けと書きましたが、この部分は玄人でないと盛り上がりに欠けるかもしれません。

 では試しに。

 サンプルPCは「女子高校生」、「男子高校生」、「女子大学生」、「男子大学生」、「教授」、「看護師」、「巫女」、「記者」、「アイドル」、「フリーター」、「警官」、「探偵」がいます。ホラーなので、とりあえず巫女にでもしてみましょう。この巫女さんは「力」が2、「技」が5、特殊技能は「解呪」です。判定はパラメータ値+2D6で判定値以上が出れば成功です。ただし、場合によってはD6個数が違うとか、言葉でアクションをするとか(判定はGMが行います)、いろいろあります。

 ソロプレイの場合は、場面カードは5枚引いてからクライマックスに向かいます。すると、下記のようになりました。

イントロ:デスゲーム

 「君たちはこれから生き残りゲームをしてもらう」・・・ソロプレイなんですが・・・。

場面1:怖い音がする

 扉を開くアイテムがありそうな方向から怖い音が・・・

 判定失敗(闇カード:愛煙家ゲット)

場面2:ねばねば

 アイテムを取ろうとして粘液にどっぷり・・・

 判定成功(光カード:エージェントゲット)

場面3:殺人現場

 突如悲鳴が上がり、振り返ると死体が転がっている。・・・ソロプレイなんですが・・・

 判定失敗(闇カード;犯罪者ゲット)

場面4:触手

 壁かと思っていたモノは、触手を持った怪物だった・・・。

 判定失敗(闇カード:ネット配信中ゲット)

場面5:廃墟

 そこは、大掛かりな廃墟だった・・・

 判定成功(光カード:海外育ちゲット)

 

 ここまでの光と闇カードをまとめると、愛煙家で海外育ちで犯罪者の巫女さんが、政府の依頼を受けたエージェントとして、廃墟で行われているデスゲームをネット配信しているという・・・。シュールだ・・・。

 そしてクライマックス。

 

クライマックス:世界の希望

 怪異は止めようがなく、世界は破滅に向かっている。だが、巫女さんが光に向かって走り出した!その先の希望に向かって!がんばれ、巫女さん!負けるな、巫女さん!世界の希望は、君のネット配信にかかっているのだっ!   FIN

 

 とまあ、こんな感じで、ゆる~くプレイするゲームです。今回は案外繋がりがよかった気がします。シリーズの他のゲームのカードも合わせると異世界転生モノもできそうです。

 ネタに困ったマンガ家とゲームマスターには、いいアイディアノートになるかもしれません。

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今回活躍した巫女さんと、その他の人々の例(個人の趣味)