ASL SKのソロプレイにおける秘匿の対策 その1 隠蔽

 アドバンスド・スコードリーダー(ASL)のスターターキット(SK)の#1と#2のシナリオを一通り終えました。最後の方で問題になってきたのが砲の初期隠匿配置(HIP:Hidden Initial Placement)です。また、#3は持っていませんので飛ばして、#4では隠蔽(Concealment)が出てきます。これらは少し本家ASLとはルールが違うようです。HIPと隠蔽、この2つを合わせて秘匿と称することにします。

 この秘匿、世界三大ソロプレイの敵と言われ(言っているのは世界で一人だけですが)、他の敵はダミーシステム、入札システムです。・・・そういえばブラインドサーチもソロプレイの敵ですね。カードドリブンも相手の手を見てはいけないのでソロ不向きです。・・・増えちゃった。なんでも『世界三大〇〇』とか言わない方がいいですね。

 秘匿ですが、私は『完全秘匿』と『不完全秘匿』があると思います。それは・・・

①完全秘匿

 マップにユニットを配置せず、紙に書いて隠しておく方法。いわゆる「HIP」です。

②不完全秘匿

 マップにユニット(スタック)を配置し、その上に隠蔽マーカーを置いてユニット(スタック)の中身が見えないようにします。こちらがASLの「隠蔽」の方です。完全秘匿とは違って、そこに何かがあることが相手にはわかります。多分、事前偵察がうまくいったか、蘆原の上を鳥が飛んでいたか(源義家か)。マップにユニットを置くというところがダミーシステムと違うところで、ダミーシステムでは(いろいろありますが)、ユニット達は別においておいて、ダミーマーカーだけがマップに置かれます。まあ、何かがあるとわかるとはいえ、雲霞のごとくダミーマーカーをばらまくゲームでは完全秘匿に近いかもしれませんが。

 

 今回は、②の不完全秘匿つまり隠蔽についての話です。HIPは改めて。

 不完全秘匿の場合、「そこに何かがある」という情報以外に(ASLでは)3つの情報があります。

◆スタックしているユニット数

 ASL SKでは「?」マーカーをダミーとして複数スタックするルールはありませんので、正確なユニット数はわかります。

◆戦闘序列(OB)

 シナリオシートにOBが書かれているので、どんなユニットがいくつ登場するかは一目瞭然です。さすがにシナリオシートを隠蔽するプレイヤーはいないのではないかと思います。

◆スタック制限

 どんなにハイスタックでも、分隊の数は3まで、つまり半個分隊(HS)×6ユニットまでしかありません。それ以外は支援火器(SW)や指揮官(SMC)あるいは操作班です。SKでは分隊をばらしたり統合したりするルールはないので、OBをみればHSがいくついるかわかります。また、SWを単独で置く人はまずいません。SMCをたくさんスタックする人もあまりいないでしょう。そう考えると、スタックにはSWが1つSMCが1つぐらいになるかと思います。これもOBで想像可能でしょう。

 

 さて、ソロプレイですが、大前提として『初期配置は適切に行います』。進入したり視認したへクスに対して、ダイスなどでランダムに決めるのではありません。少なくとも、「何らかの意図のもとに初期配置すべき」だと思っています。いくらなんでもそんなところに配置しないだろ、というようなところに出現するようでは興がそがれます。

 そして、プレイする際には、そこに何かがあるけど何があるかわかっていないふりをしてプレイしないといけません。それをどうするか。

 OBでどんなユニットがいるのかわかっています。つまり射程がわかります。隠蔽が剥がれたものは除いて、隠蔽されているものの中で最大射程より遠い場合、何ら制限なく動けます。実際の対戦プレイでも、わざわざそんなところで警戒移動しないでしょう。

 次に、射程内に入ったらどうするか。ここで、勝利条件を考えます

 私はそんなにシナリオをプレイしていないので、異なる場合があることをお断りしておきます。

 勝利条件は大きく分けて3つあると思います。なお、この勝利条件は、防御側に対するものも攻撃側から見たものに変更ます。例として、6へクス中3へクス守れば防御側勝利というものは、攻撃側が4へクス取れば勝利と読み直します。

①突破

 攻撃側がマップ端から出ると勝利というもの。

②制圧(支配)

 攻撃側があるへクスを支配すると勝利するというもの。砲の捕獲や破壊もこれに準じます。

③壊滅

 攻撃側が防御側ユニットを混乱状態または除去するというもの。

 

 ①の場合は、攻撃側は戦闘をできるだけ避けて移動する必要があります。つまり、相手の射程になるべく入らない、できるだけ撃たれても大丈夫なところを通るといった行動をとります。

 ②の場合、ある程度は戦う必要がありますが、へクスは移動しませんのでそこまでしか戦いません

 ③の場合は、逃げ散る敵を追いかけたりと積極的に攻撃する必要があります。

 

 こう見れば、敵の射程内に入ったらどうするか、自明です。後は、②は攻撃すべきへクスが決まっていますが、③はへクスではなく敵ユニットが相手なので出来るだけTEMが少ないとかスタックが少ない方を選んで攻撃します。

 こういったことは、対人でもやっていることではないでしょうか。若干の臨機応変があると思いますが、基本はこの行動で行います。

 

 まとめると、攻撃側は「相手の射程を把握して、そこまでは自由に移動する」「射程内に入ったら勝利条件に従って行動を決める」。これらは基本行動であり「あとは臨機応変に」

 すこしロボットシステム的ではありますが、あくまで基本行動である点だけは頭に入れておけばいいと思います。とにかく大前提の「初期配置は適切に」だけは守らないとゲームがつまらなくなると思います。それに、防御側が射撃しちゃえば隠蔽が剥がれるので、それからは自由に動けます。隣をすり抜けているのに撃たない防御側はいないでしょう。

 見ないふりをするというのではなく、いることがわかっているので、最も危険な場合と勝利条件からとるべき行動に即して移動や戦闘を行っていけば、おのずと見えていてもいなくても同じように行動するのではないでしょうか。