『Zero Leader』(DVG)の紹介

 まずは、未プレイであることを告白します。現在、和訳のための英文転記を行っていて、それを読みながら把握した事で書いています。ぶっちゃけ、日記のネタがなくなってきたので、プレイ前でも紹介しようかということになりました。ですので、翻訳したらルールが違っていたということがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 このゲームはソリティアゲームです。他の「Leader」シリーズのことはよく知りませんが、このゲームでは数機の航空機を率いる指揮官となります。航空機は戦闘機だけではなく艦爆や艦攻なども含みますので、戦隊指揮官という扱いでしょうか。

 太平洋戦争全体の中から、一連のキャンペーンを取り出し、その中で部隊を編成して2~15ターンで勝敗を争います。1ターン1日という扱いですが、真珠湾など最大4ターンあるので4日とみるより4回出撃とみた方がよさそうです。キャンペーンは本体『Zero Leader』で15個、追加の『中国エキスパンション』で5個あります。それぞれ、ショート、ミドル、ロングの3つに分かれています。いかにキャンペーン名、年、難易度を示します。

『Zero Leader』

Pearl Harbor 1941 入門

Philippines 1941 入門

Wake Island 1941 入門

Port Moresby/Lae 1942 標準

Coral Sea 1942 入門

Midway 1942 入門

Guadalcanal 1942 標準

Battle of Santa Cruz 1942 入門

New Georgia 1943 標準

New Britain 1943 標準

Rabaul 1944 高難易度

Leyte Gulf 1944 高難易度

Luzon 1945 最高難易度

Okinawa 1945 最高難易度

Home Island Defense 1945 最高難易度

『中国エキスパンション』

China 1941 入門

Malaya 1942 標準

Singapore 1942 標準

Indian Ocean Raid 1942 標準

Burma 1942 標準

 下図がキャンペーンシートです。左が『Zero Leader』、右が『中国エキスパンション』です。

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全20枚のキャンペーンシート(左:基本セット、右:中国exp)

 キャンペーンシートをもう少し詳しく見てみましょう。真珠湾の例です。地図に書かれている丸数字はターゲットを示していて、このターゲットはカードになっています(後述)。地図の左下の方に使える機体使用するターゲットカードの番号が書かれています。ですので、真珠湾でいきなり桜花をぶちかますことはできません。ターゲットも個別の艦船というよりは、一般的な戦艦とか航空基地とかになります(後述)。下から2段目にキャンペーン情報が書かれており、ショートシナリオ、ミドルシナリオ、ロングシナリオでターン数(Day)、Special Option Point(後述)、必要なVPが記載されています。最下段はRECON(偵察)とINTEL(情報)のレベルを表しており、これにより敵の数が増減したりします。

 1ターンに1ターゲットへの攻撃になりますので、この例ですとロングシナリオでも4ターゲット(追加ターゲットもありますが)に対し、ターゲットになりうるのは19個ありますので、何回でもプレイできます

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キャンペーンシートの例(真珠湾

 下図がターゲットカードの例です。

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ターゲットカードの例

 ターゲットカードの右上に書かれているのがターゲット番号です。真珠湾のキャンペーンシートですと真ん中辺にあるのが34番の戦艦です。真ん中の「6」と書かれているのがヒットポイントです。破壊するためにはこれ以上のダメージを与える必要があります。その下のAreaとかSitesとか書かれているのはターゲットの防御配置です(後述)。この他撃破した場合のVPやRecon、Intelの移動等の情報、注意書きが書かれています。

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ターゲットカードの例(#34 戦艦)

 下図がタクティカルディスプレイです。中央にターゲットを配置し(Target Area)、その周囲のエリアに敵の防御(砲台siteや敵機bandit)を(Approach Area)、さらにその周囲にこちらの攻撃機を配置します。同じエリアに入ると戦闘機同士の戦闘や、隣接への攻撃が可能な砲台などがあります。その他、高度(HighかLowか)によって攻撃できるかどうかが変わります。艦攻はLowで、艦爆はHighで攻撃できます。1回の出撃(Dayのこと)の戦闘ターンは5ターンまでで、それまでに敵の防御を突破してターゲットを破壊しないとVPは貰えません。

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タクティカルディスプレイ

 ミッションのシークエンスは、上図の左下に書かれていますが、大まかに言って(黄色のテキスト)作戦前行動(部隊の編制やターゲットの配置)、攻撃の往路(イベントで何機か帰っちゃうことがあります)、ターゲット上での戦闘攻撃の復路(イベントがあります)、ブリーフィング(戦果の確認、昇進、ストレスの増減、機体の整備)に分かれています。

 パイロットは攻撃したり特殊機動をしたりすると「ストレス」が溜まり、ストレスが多いとうまく機動できなかったり、最悪出撃できなくなったりします。そんな時はお酒です。キャンペーンシートの所で触れたSpecial Option Pointで買えます。このSOポイントは、このほかにも特殊兵装やパイロットの熟練度の変更などにも使えます。

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ストレス解消、百薬の長Sake

 さて、パイロットカードの例です。パイロットの熟練度は素人新兵一般兵熟練兵ベテラン伝説級に分かれており、それぞれパイロットカードが異なります。同じ坂田さんでも3枚のカード(の裏表)があります。まあ、同姓なのかもしれませんが。

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パイロットカードの例(坂田さん、他に上利さん(読めます?)とかもいます)

 パイロットの下にストレス値とそのストレスでのステータスや対空(AtA)、対地(AtG)補正値が書いてあります。Speedは戦闘時のステップの順番に関係します。Fastが先の動けますので得です。

 下図はイベントカードの例です。上の段が攻撃の往路、中段が戦闘時、下段が攻撃の復路のイベントです。それぞれでドローします。これにも書かれているように「ストレス値」がキーです。

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イベントカードの例

 カウンターシートは基本セットで11枚と無茶苦茶多いです。なので、ボックスは結構重くて中身満載、小市民的にはうれしい仕様です。

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小市民的にうれしい沢山のカウンターシート(手で抜けます)

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小市民的にうれしい沢山の補助シート(Dogfightシートは厚手)

 パイロットがもらえるスキルのシートです。なんか、怪しげなスキルがあります。どうも、日本を誤解しているような気がします。このスキルだけではなく、神風や桜花などにずいぶんルールをとっている印象があります。アメリカ人のイメージなのでしょうか。

 

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パイロットがもらえるスキル(一部怪しげなものも)

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桜花、神風、侍魂のカウンター

 ちなみにヒット数は各兵器の上に書かれているx/x/x/xで示されており、桜花の例では-/-/7/8ですが、d10で補正後が7以上だと3ヒット、8以上だと4ヒットになります。左2つが-なので、1ヒットと2ヒットはありません。当たればデカい。

  ルールブックから、タクティカルディスプレイの配置の例です。敵戦闘機に対して攻撃したり、敵砲台に対して攻撃したりして道を切り開き、中央のターゲットに対して攻撃を行っていきます。

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タクティカルディスプレイの配置の例(ルールブックより)

 このように配置した敵に対し、戦闘機は最初はNeutralの位置で、機動してその他の位置に移り攻撃します。

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格闘戦の位置取り(ルールブックより)

 5戦闘ターンが終了すれば終わりです。多分滞空時間を考えているのでしょう。

 少し長くなってしまいましたが、ロングキャンペーンとしてパイロットを同じにして育てて行ったりすると面白いかと思います。途中で戦死した場合は代わりに素人を入れたりして。

 実際にはキャンペーンごとに部隊編成をするのですが、この時の年とシナリオの長さによって編成できる熟練度の数が異なります。1941-2と1944-5では、やはりベテランが減ってきます。

 また、神風や桜花を使うと搭乗員を指定しなくてはいけません。私はこれは嫌だなと思いましたアメリカ人にはあまりこだわりがないのでしょうか。まあ、パイロットカードが機体の絵なのでさほど感情移入がないのかもしれません。

 ついでに、下図は日本本土のキャンペーンですが、どうしてアメリカ人は日本地図が正しく書けないのでしょうか?MODERN WAR誌の『The Dragon That Engulfed the Sun』でも、マップや記事の都市の位置がおかしかった。若干、やる気をなくす理由であります。

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怪しげな日本地図