ダークネビュラ(GDW/国際通信社)について

 ダークネビュラはGDWのRPG「トラベラー」世界をベースにした戦略級ゲームです。タクテクス誌で付録化されたことがありますが、今回は国際通信社版でのお話です。

 ゲームは老舗アスランに対するソロマニ(地球ですね)の挑戦という形で、星系を奪取していくものです。ゲームマップは8枚のカードをプレイヤーが交互に並べていくものなので、展開が固定化することはありません。という、うたい文句です。ただしマップカードの繋ぎ合わせには、ジャンプルートと呼ばれる連絡路(マップの白い実線。まあ道路ですね)が繋がるように置かなくてはならないという制限があります。アドバンスドスコードリーダーのようにどのマップでも自由に繋げられるというわけではありません。

 ということは、マップのつながりで有利不利があるのではないかと思いました。実際にあります。

 下に8枚のマップを載せます。バツ印はジャンプルートが途切れるところです。要するに〇印の星系の横に□印の惑星がないものです。

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ダークネビュラのマップとジャンプルートが繋がらない星系(×印)

 ダークネビュラは戦略級ゲームなので、生産の概念があります。首都星に星系がジャンプルートで繋がっていれば生産ポイントが貰えますが、ジャンプルートが途切れる連絡線があると星系を占領していても生産ポイントは貰えません。その目で見ると、アスラン首都マップは左側にしか連絡線が繋がっていないのです。連絡線をつなげるためにはバツ印の所にタンカーユニットを配置する必要がありますが、タンカーユニットは1つしかありません。なので下図のようなマップ配置にした場合、ソロマニ側はここを抑えてしまうとアスランは生産ポイントの獲得が困難になります。本星マップだけですと、アスランは12生産ポイント、ソロマニは18生産ポイント獲得できます。アスランはジリ貧です。

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アスラン本星マップの隔離

 このゲームでは、ジャンプルートが繋がっていれば、移動の距離は制限がありません(途中で敵艦隊がいるとそこで移動終了)。なので、マップ次第ですが、このような「旅順港閉塞」作戦も可能です。まあ、首都星を直接攻撃する「桶狭間」作戦も可能ですが。

 また、下のようなマップ配置では、互いに連絡線を繋げることができないルートでしか侵攻できません。つまり、互いの本星の間に連絡線不可(バツ印)の星系が2つ以上あります。タンカーユニットは1つなので、1つ使うともう一つの連絡線不可星系を通行できなくなります。

 こんな場合は相手の領地に入るためには増援なしの片道特攻(菊水)か、タンカーユニットを往復させて増援を送り込む「ネズミ輸送」するしかありません。今一つ戦略の幅が狭くなるような気がします。

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互いに不可侵なマップ配置の例

 これらの回避にはタンカーユニットを複数生産できるようにすればよいと思います。カウンターがないのでブランクカウンターで自作するとよいでしょう。

 また、首都星をいきなり攻撃されないように、首都星防衛システム(アルテミスの首飾りとか)をゲームに導入してもいいかもしれません。イゼルローン要塞とかもユニット化すると面白いかもしれません。まあ、あまりやりすぎると、120分で終わるという当初のコンセプトが崩れるかもしれませんが。