ラベルのボレロというクラシック音楽は、スペインの田舎町の酒場で、踊り子が一人踊りだし、それに合わせて酔っ払いたちが次々と参加していく様を描いています。最初はフルート(だったか)の独奏ですが、同じフレーズを繰り返すうちに次々と楽器が参加していき、最後は一気に盛り上がります。
このラベルのボレロを使ったアニメが銀河英雄伝説の「我が征くは星の大海」の第四次ティアマト会戦のシーンです。帝国貴族の陰謀で帝国軍左翼艦隊を率いるラインハルトを亡き者にせんと囮として単独で前進させます。ラインハルトはそれを逆手にとって、同盟軍艦隊の前を大胆にも横切っていきます。同盟軍は罠かと疑い、ラインハルト艦隊を攻撃しません。ラインハルト艦隊が同盟軍艦隊の前を通過した直後、帝国・同盟両艦隊はいつの間にか至近距離で対峙していました。不期遭遇戦のような形で戦端が開かれます。この、ラインハルト艦隊の移動と戦闘が次第に激しさを増していく感じをラベルのボレロはよく表しています。とても好きなシーンです。
さて、Across Five Aprilsのゲティスバーグシナリオでは、初期配置ではゲティスバーグの町の北西に少数の北軍ユニットしかいません。最初にHillの南軍師団がやってきます。その後も毎ターン双方の増援が到着し、段々戦闘が激しさを増していきます。この感じがラベルのボレロに良く合います。ついつい頭の中でフレーズがリフレインします。
ちなみにブルーアンドグレーの方のシナリオは「ゲティスバーグ」ではなく「セメタリーヒル」となっており、既に南軍が揃ってきている一日目の後半から始まります。まあ、夜間ターンまでに増援が次々来ますが、夜間ターンは戦闘不可ですのであまり戦闘が激化していく感じがしません。こちらはラベルのボレロは似合わない。
ついでに言うとRoads to Gettysbergのゲティスバーグシナリオは初期配置こそA5Aと同じですが、マップ範囲がキャンペーン全域ですので、増援をゲティスバーグに向かわせる必要が無いという・・・。こちらもゲティスバーグで戦闘すればラベルのボレロのようになるでしょうが。