「戦国大名武田氏の戦争と内政」(鈴木将典)

 今日は無茶苦茶暑かった。在宅勤務なので、朝8時ごろに買い物に出たのですが、すでに30℃を超えていました。日中も35℃を超えたとか。部屋の中でも32℃を超えていました。電気代が高いのでエアコンはつけず。扇風機を回しています。

 

 「勝山記(かつやまき)」という本があります。富士吉田の僧侶が1466年から1563年まで書き続けたものです。ちなみに1467年が応仁の乱が発生した年、1561年が第四次川中島の戦いがあった年です。他にも貴族の日記とかが残されていますが、この書物が他とは異なる価値を持つのは、起こった事柄や自然災害だけではなく、物価など庶民の生活についても詳しく書かれているためです。貴族の日記には庶民の生活なんて一行も出てこないでしょうから。

 表題の本は、この勝山記をベースに他の資料も含めて、武田五代(信昌、信縄、信虎、信玄、勝頼)の事績や領国経営が書かれています。また武田氏以後の武田領国についても記述があります。

 信虎までの話は、前に読んだ「武田信虎」である程度把握していましたし、信玄、勝頼についてはそれ以外の本でも知っています。が、領国経営についてはあまり詳しくはありませんでしたので、面白かったです。そして、案外一般で言われているような戦国大名のイメージは修正されるべきだなあと思ったのでした。戦国大名は各領国に対して強権的な支配をしていたわけではなく、民衆もまた唯々諾々と領主に従っていたわけではありません。年貢をちょろまかしたり、昔の災害で減免された分をずっと主張していたり。うーん。いつの時代も、人間って変わらない。