「楠木氏三代」(井之元春義)

 1997年発行の随分古い本ですが、よくまとまっているという事で欲しいと思っていました。この度手に入れられましたので読んでみました。価格は2倍でしたが。

 読んだ感想としては、よくまとまっている、です。ただ、やはり今より30年近く古いため、ちょっとなぁと思う箇所もありました。例えば、「太平記」が南朝よりだと無批判に決めつけている所とか。なので、楠木正行四條畷の戦いの経緯も「太平記」に依存して悲劇的に書いています。前に書いたように、私はそうは思っていません。

 とはいえ、南北朝合一後の楠木氏の動向や、和泉、河内、摂津の農村や寺社と楠木氏の関わりなども書いてあって参考になります。

 さて、次はより新しい「楠木正成・正行・正儀 南北朝三代の戦い」(生駒孝臣)を読もうと思っています。比較が楽しみです。