WESTWALLヒュルトゲンの森の感想

 う、うぅ~ん。という感じです。ヒュルトゲンの森と言えば、ブラッディなイメージがありますが、流動型CRTのせいで、余りブラッディな感じがしません。実際に除去されたのは米軍2ユニット(29ユニット中)、ドイツ軍5ユニット(48ユニット中)だけですし。

 また、CRTは戦力差式なのですが、1対1なら攻撃力と防御力の差がほぼ0です。マップの大半を占める森、町、高地では戦力差0ではA1かA2(数字は退却ヘクス数)にしかならず、攻撃する意味がありません。隣接して、攻撃して、後退するだけになります。まあ、そのため砲撃や航空支援があるのですが。それも両軍とも限定的です。独軍は航空支援はありませんし。

 また、勝利条件は米軍VP対独軍VPの比で決まります。今回はアメリカ軍実質的勝利。実際のVPは30対10です。米軍VPは独軍除去5ユニット15VP+町の占領3か所15VP。独軍は米軍除去2ユニット10VP。つまりは、分母が小さすぎるんです。それも当然。流動型CRTですから。独軍のVP元はアメリカ軍の除去のみですが、流動型CRTではそれは難しい。必然的に分母が小さくなり、米軍が勝利しやすくなるという寸法です。

 一応、日本版での改定ルールを適用していますが、それでも「ゲームバランスはアメリカ軍側に大きく傾いている」状態は残っている気がします。まあ、このシナリオとレマーゲンシナリオは多分クワドリにするための付け足しだったんじゃないかという気がします。次はバストーニュだ。唯一日本版で改定ルールが提示されていないので、バランスはいいんじゃないかな。