CMJ120号の「バルジ大作戦」のVASSALモジュールの修正

 前日の夜はのどの痛みで夜中に目が何度も覚める状態だったので、月曜日、火曜日と連続して体調不良でした。それでも連続プレイ記録のためにFB北斗のデイリーだけでもと思ってプレイしたのです。いつもはおすすめが1プレイ6分のエクササイズですが、二日間連続して3分のショートコースでした。まるで、こちらが体調が悪いのが分かっているよう。そんなに優しくされたら、惚れてまうではないかい。

 

 さて、CMJ120号の付録ゲーム「バルジ大作戦」は、エポックの「バルジ大作戦」を小型化した様なゲームで、SSシリーズのバルジの様な奇をてらったルール(1ユニットずつの交互移動)もない好ゲームです。しかもVASSALモジュールもあるという(乃木坂様ありがとう)。ですが、このVASSALモジュールは、セットアップ時にサン・ヴィットかバストーニュのいずれかに配置するアメリカ第9機甲師団のユニットが入っていません。全ユニットのリストも無いのでそこから持ってくることもできず。仕方がないので、今までは最終ターンに増援で来る第11機甲師団を使っていました。このやり方の欠点は、最終ターンまでに第9機甲師団(中身は第11)を除去しないといけないという・・・。ひどい話だ。

 VASSALモジュールの作成について、少し学んだので、前々から修正したいと思っていました。で、のどが痛くてゲームをやる気力がないから、この修正をやってみようかと思ったのです。たった1ユニット追加するだけだし・・・。と、軽く考えていたのですが、案外奥が深かった。

 

 このモジュールでは、初期配置はセーブデータ(.vsav)を読み込んでいます。つまりこのVSAVファイルを作り替えればいいのですが、無い第9機甲師団(9A)をどう作るのか。

 以前、自作ゲームのVASSAL化をしようとした時は、VSAVファイルを使う方法ではなく、個々のユニットを1つずつ地図上に置いていく方法をやっていました。これは大変。なので、途中で投げ出した・・・。

 実はユニットのプロトタイプを作って、部隊番号とかだけを変える方法があったのです。うん。そりゃそうだよね。数値とかが全部違うゲームなんてそんなにないし。そうしておいて、セーブデータを作ってモジュールに組み込んでおけば簡単にできるようでした。

 

 具体的にどうしたか。すぐ忘れそうなので書いておきます。

 最初にモジュールのZIPファイルを解凍します。ちなみに今回改めてダウンロードしたらZIPファイルではなくVMODファイルでしたが、私がダウンロードした時はZIPだったのか、修正しようとしてZIPにしたのか忘れました。ただ、ずっとZIPファイルでプレイしていました。VMODファイルはZIP圧縮形式なので、拡張子をZIPにしてもプレイできますし、VMODファイルの拡張子をZIPにすれば解凍もできます。

 で、取り合えずsbulge.vmodをsbulge.zipにして、これを解凍しておきます。

 次にVASSALを起動して、ゲームを立ち上げます。その後、Shift+Ctrl+F11を押します。するとゲームピースパレットが表示されます。下の図の左上のようなやつです。

ゲームピースパレット

 これらの中から、9Aとして使うのは上から4段目、左から4列目の7-4機甲師団です。他にも7-4機甲師団はありますが、全て増援用で兵科マークに右に増援ターンが記載されています。機能は同じですが。

 この7-4をドラッグ&ドロップしてサン・ヴィットに置きます。どこでもいいのですが、取り合えず初期配置の候補の一つとしてサン・ヴィットに。なお、今まではなるべく早く除去しないといけなかったので(第11のために)、いつもサン・ヴィットに置いていました・・・。ひどい話だ。

7-4機甲師団の配置

 間違えてちょっとでも移動したら、移動済の赤ラインとユニットがダークになりますが、これは後で移動済解除しておきます。後でセーブデータにして使うので、移動済状態だと毎回移動済解除してからプレイしなければならなくなりますので。

 さて、ユニットを置いた状態では部隊番号が入っていません。これでも使えなくないですが、やはり気分的な問題があるので「9A」の文字を入れます。Shift+Lを押します。

師団番号の入力

 テキスト入力ダイアログが開くので、「9A」と入れて「OK」ボタンを押します。

師団番号(9A)が入った

 無事、「9A」と師団番号が付きました。もちろん、ステップロスして裏返しても師団番号はついています。

 ついでに、右下の方の教導装甲師団が「Leha」になっているので「Lehr」に直しておきましょう。同様にユニットを選択し、Shift+Lでテキスト入力ダイアログを表示し、「Lehr」に直して「OK」ボタンを押します。

「Lehr」に修正

 無事に「Lehr」になりました。後は、新規ゲーム開始時に表示したい状態にするために、ゲームピースパレットを消し、ドイツ軍のスタックを元に戻します。この時、どれかが移動済になっているなら、それを解除しておきます。選択状態とかも外しておいた方がいいですね。また、第1ターンはドイツ軍からなので、「引退」ボタンでドイツ軍を選んでおきます(ソロなら関係ないですが)。

セーブ前の状態

 さて、ゲームデータを保存します。通常の「ゲームを保存」で構わないのですが、保存先は前に解凍しておいたフォルダの中にあるVSAVファイルにします。上書きです。

ファイルにセーブ

 VASSALの作業はこれで終了。ソフトを落とします。

 次に、保存したデータをVASSALモジュールにコピーします。最近のWindowsではZIPファイルを解凍せずに中身の出し入れができますので、「sbulge.zip」をダブルクリックします。後は保存したデータをZIPのフォルダにコピーするだけです。

ZIPファイルにコピー

 コピーが終わったら、それぞれのフォルダを閉じて、sbulge.zipをsbulge.vmodに戻して(そのままでもプレイできますが)終了です。再度VASSALを立ち上げて読み込んでみると、ちゃんと修正が反映されています。

プレイ開始時の状態

 これが分かるまで少し時間がかかりました。最初は「「モジュールの編集」だけでOKかと思ったのですが、ゲームピースパレットしかなく、どこで部隊識別しているかわからなかったのです。

モジュールエディタのGame Piece Palette

 この「7-4a」のプロパティを見ても、師団番号を記入できるわけでもなく・・・。

7-4aのプロパティ画面

 ただ、「Prototype」には「unita」と「unitg」があることが分かり、それぞれ連合軍とドイツ軍の定義を表しているらしいことに気が付きました。

Prototypeの種類

 この「unita [Definition]」のプロパティを見ると、「Text Label」というのがあります。これが部隊番号のテキストを入れるところではないかと思ったのです。このプロパティを見ると、SHIFT+Lで開けることが分かりました。

unitaのプロパティの中のText Labelプロパティ

 後はゲームピースパレットを開く方法ですが、同様に「Game Piece Palette」のプロパティを開くとCTRL+SHIFT+F11で開けることが分かりました。ユニットリストが無くても、これで開く方法が分かったのです。なるほどなぁ。

Game Piece Paletteのプロパティ

 ゲームで使うユニットがすべてリスト化されているような場合は、そこから不足分のユニットを持ってきて初期配置し、それをセーブしておいて、毎回そのセーブデータを読み込むようにしていました。これまではそれができなかったので、11Aを代用するという方法でばかりプレイしていました。足りないユニットがある場合でも、元々パレットにある(=他のシナリオで使っている)ユニットであれば、こうやって修正できるのだなぁ、と改めて思った次第です。例えば大枚をはたいた「1914 Nach Paris」のマルヌシナリオなどはごっそり騎兵がいませんが、もしかしたら、修正できるかもしれません。もっとも、あのゲーム、ちょっと重すぎますが。

 今回、ゲームピースパレットを使うことと、セーブデータを利用したセットアップを行うことで、モジュール作成時に一々ユニットをマップに配置しなくても簡単に初期配置を行えることが分かりました。少しは自作ゲームのVASSAL化も進むでしょうか。無理かな?