謎の反転

 「謎の反転」と言えば、レイテ戦における栗田艦隊が有名です。が、他にもあります。

 1358年4月30日に足利尊氏が死亡したのを受けて、12月8日に二代将軍義詮が将軍宣下を受けます。義詮は将軍の権威を高めようと南征を行う事にしました。1359年11月には関東から20万騎を引き連れた畠山国清が上洛します。まあ、太平記ですから実際に20万ではないでしょうが、それでも数万騎はいたでしょう。同年12月に京都を出陣し、南朝征伐にかかります。南朝方も各地に城を築くなどの準備をしますが、1360年2月には幕府軍は中部河内まで進出します。

 畠山国清という人は、大兵力を頼んで力攻めをするようなタイプではなく、調略を含めた硬軟両用の戦いをし、南朝からの離脱者も多く出ます。1360年4月には南朝方にいた護良親王の子の興良親王が賀名生で謀反を起こしたりします。直ぐ討伐されちゃいましたが。5月8日には赤坂場も落城、残りは千早城のみ。

 ところが、5月21日、突如義詮は全軍撤退を命じ、帰洛します。諸国の軍勢もことごとく下国していきます。あと少しで南朝を滅ぼせるところでしたのに。

 太平記では後醍醐天皇の怨霊のためだと言っていますが、別の意見では、幕府内の権力争いだとも言われています。とはいえ、南朝を滅ぼすか滅ぼさないかという瀬戸際での権力争いというのも、今一納得しかねます。

 で、これを、どのようにゲームにするかという事なんですが。「謎の」とかつく事柄をシミュレートするのは結構難しいです。イベントカードで強制的に、というのも趣がありません。それに、私はそういう陰謀ルール的なものは好きではないのです。悩み処です。