アンティータム戦におけるリーの思惑

 GCACWの「Here Come the Rebels!」では、シャープスバーグの占領が北軍の主要なVP源になっています。どうもこれは、アンティータム戦を行わせようというデザイナーの陰謀の様な気がして好きではありません。

 マクレランの意図したのは北バージニア軍の撃滅もしくはメリーランドから追い出すことでした。後者は達成したのですが、ナポレオン戦争時代の決戦思想では、本来敵軍の撃滅が主目的になるはずで、このためにマクレランの評価が下がったのだと思われます。まあ、確かにここでリーを完膚なきまでに叩いておけば、南北戦争ももっと早く終わったと思います。

 そんなわけで、北軍はシャープスバーグを占領するかしないかはどうでもよくて、北バージニア軍の撃滅が主要な目的になるべきではないかと思っているのです。

 一方の南軍ですが、戦略的目的ではメリーランド州を南軍シンパにすることですが、作戦的目的ではポトマック軍の撃滅もしくは北バージニア軍の保持となる気がします。撃滅が最善でしょうが、とはいえポトマック軍は2倍の兵力です。当初リーが撤退を選んだのも頷けます。ところが、ハーパーズフェリーが1日で降伏しジャクソンの軍団が戦闘に参加できそうだとわかったため、リーは決戦を選びました。

 アンティータム戦では、マクレランは、まず右手を叩き、次に左手を叩き、薄くなった中央を突破するというアウステルリッツの再現をしようとしたようです。もっとも、中央突破の軍を動かしませんでしたが。

 そこで、ふと思ったのです。リーは、フリーになったジャクソンをマクレランの側面を突かせようと思ったんじゃないかなと。つまりワーテルローです。結果としてはジャクソンはポトマック川の東岸を北上せず、西岸から援軍に来ましたのでそうなりませんでしたが。でもこの作戦は有り得そうだなと思ったのでした。