映画館で映画を見なくなった

 昔、映画館で映画を見ているとき、前の席のガキどもが、コンビニの袋をガサガサ、せんべいをバリバリとやっているのに出会って以降、映画館に行かなくなりました。映画館でのマナーの教育について、いったい親は何をしているのでしょうか。多分、この親も同じなのでしょう。さらにその親も・・・。腐ったリンゴは樽の中のすべてのリンゴを腐らせるという格言通り、悪いマナーは広まる一方で、良いマナーに転換されにくいのです。

 そんなわけで映画館に行かなくなりました。が、それだけが理由ではありません。

 年をとって、涙もろくなりました。映画館でも泣きそうになります。泣くと結構ひどいので、少し恥ずかしいです。で、なぜ年をとると涙もろくなるのか。多分、いろいろな経験をして、映画のシチュエーションなどに共感しやすくなるからでしょう。例えば人の死について、小さい頃はあまりピンときませんでした。でも、アニメでもドラマでも小説でも、様々な人の死に出会ってきました。また、実生活でも身近な人の死に出会ってきました。そんなわけで映画を見ていて人が死ぬという状況で涙が出てくるのでしょう。

 後、映画館で映画を見る利点というものがよくわかりません。

 よく言われるのが「大迫力の画面」、「大迫力の音響」とかです。でも、映画館では座る席が自由にはなりません。もし、最前列の端っこに座った場合、「大迫力の画面」とはいったい何を指すのでしょうか。確かに大迫力ですが、反対の隅っこの方は見にくいです。家で「大画面テレビ」を自由な位置から見た方がよっぽどいいです。

 また、大迫力の音響についても、ヘッドホンで聞けば同じように聞くことができます。しかも、他のノイズ(せんべいボリボリとか)も入りません。

 それに、トイレも自由に行けます。映画館で真ん中辺の席に座ったら、もう映画が終わるまでトイレに行けません。最近近くなってきたので・・・。

 映画館で映画を見る利点としては、最新の話題についていけることぐらいでしょう。1年もすれば大体の映画はテレビでやります。そこまで待てばいいのです。でも、SNSで見たことを報告したり感想を書いたりするには映画館で見ないといけません。私はそこまでしないので、映画館で見る利点はありません。

 後は、デートぐらいでしょうか。私には相手がいませんが。