終戦じゃない

 昨日は終戦記念日とかで、お涙頂戴特番をいくつもテレビでやっていました。

 まず、タイトル通り、8月15日は終戦ではなく停戦です。本当の終戦記念日は9月2日のはずで、世界各国ではこの日に先勝パレードとかやっています。こういったあたり日本と世界での認識のずれを感じます。だから、中国政府などに日本は歴史認識が間違っているなどと言われるのです。中国の方が歴史認識を間違っているのに。

 一例として、中国では東条が戦争犯罪人として極悪人扱いですが、日中戦争が始まった時の首相は確か近衛だったはず。中国から見れば、東条などよりも近衛の方が極悪戦争犯罪人でないといけませんが、東条がそうなっているのはアメリカの尻馬に乗っているからです。太平洋戦争開始時は東条が首相でしたから。中国人はもう少し正しい歴史認識を持ってほしい。

 

 さて、8月15日を終戦記念日としたり8月6日、9日を平和記念日としたりしているのは、日本国民が被害者意識を持てて気持ちいいからです。被害者は加害者に対して優位に立てるので、気持ちいいものです。様々な被害者を見てみればよくわかります。3月10日も東京大空襲で被害者ではあるのですが、ドレスデンの例もあり(こちらの方が先)今一インパクトに足りません。原爆は日本が世界でただ一人戦争で受けた被害として公言できるものですので、平和記念日などと言って毎年イベントを行えるのです。

 被害者意識と言えば、マスコミと日本国民も同じです。戦争は購読料が欲しいマスコミが勇ましい事を書き、それに乗せられた国民の戦意が高まり、さらにそれに当て込んだマスコミが煽っておこったもので、負のスパイラルが発生しています。そのくせ戦争に負けた途端、軍部に押し付けられたと被害者意識丸出しで手のひらを返しています。軍部は解体されたので、死人に口なし、言いたい放題です。

 本当に戦争をしないようにしようとするなら、8月15日に靖国に行くでもなく、お涙頂戴番組(これこそ被害者意識のなせる技)を放映するでもなく、9月2日に戦勝国がパレードをやっている横で、なぜ戦争が起こったのかを冷静に分析する番組を放映することでしょう。お涙頂戴番組のような感情に訴えるものは、実際にひどい目に会っていない人からはリアリティがないものとして映ります。いい例として、三陸津波があります。明治、昭和に大津波で被害があったはずなのに、わずか数十年でまた同じように被害を受けています。如何に人間がリアリティの無いことを忘れやすいかを示しています。感情ではだめで、理性に訴えかけなければ、また戦争を起こしてしまうでしょう。

 尖閣ショウダウン20XXのマップを見ながら思ったのでした。