復讐について

 硫酸男が捕まった様です
 で、犯行の動機は大学時代にため口を叩かれたかららしいです。この犯人の知り合いの話では、結構、やられたらやり返すタイプのようです。つまり、復讐ですね。
 最近の事件も結構この『復讐』がテーマになることが多いようです。例えば、京アニ放火事件とか、小田急線切り付け事件とか。京アニ事件は、自分の作品が無断で使われたことに対する復讐ですし、小田急線の方は女に対する復讐です。もちろん、犯人の一方的な思い込みなので、同情の余地はありませんが。

 ちなみに復讐ではない事件も多いです。例えば相模原の障碍者殺害は、別に復讐が動機ではないですね。

 「復讐からは何も生まれない」と言われます。いい言葉のようですが、その一方で、我々は『復讐』が大好きです。ハリウッド映画のテーマでもよく見かけますし、日本でも「倍返しだ」のドラマが受けました。今だ、この言葉を使っている人がいます。それに、お年寄りが大好きな「水戸黄門」も、いわゆるいじめられた庶民の側に立った水戸黄門による復讐のお手伝いですよね。その伝で行けば、遠山の金さんも暴れん坊将軍必殺シリーズもみな同じです。
 そう、つまり、洋の東西を問わず、みんな復讐が大好きなのです。戦争だって、結局は復讐合戦。あいつがやったからというのが定番の開戦理由です。
 復讐には自己正当化が関係しています。自分が悪くない、あいつが悪い。そう考え始めるとやられたことがすべて不当に見えてきます。かくして、悲劇が起こるのです。
 私はそんな人間になりたくないなぁ。