「戦国ブリテン」(桜井俊彰)

 イギリス古代の七王国ヘプターキー)の覇王8人についての物語です。8人とは、古い順にエゼルベルト、レドワルド、エドウィン、ペンダ、オッファ、エグバード、セント・エドモンド、アルフレッドです。アルフレッド大王しか知らなかった。時代としては、聖徳太子のあたりから菅原道真のあたりぐらいまでに相当します。

 これらの覇王について、平易な文章で分かりやすく説明していて、とても読みやすかった。七王国時代前半は、互いに覇を競い合っていて、まさに戦国時代。後半はデーン人の来寇があり、内部で争っていられない状態に。そして、その中からアルフレッド大王がブリテンを統一し、イングランドへの道筋をつけた、という事です。ちなみにアルフレッド大王も「英国海軍の創立者」と言われているようで、先に書いたジョン王とどっちだ?という感じでした。

 それにしても、似たような名前が沢山出てきて、わけわかめ。同じ名前ではありません。例えば、エゼルウルフ王の息子たちがエゼルバルド、エゼルベルト、エゼルレッド・・・。わけわかめ。父王も、名前呼び間違えたりしてたんじゃなかろうか。

 作者は、あの「長州ファイブ」を書いた人です。イングランドスコットランドについての書物が多く、大好きなんだなと思ったりしました。

 ちなみに、現在のイギリス人のDNA解析したところ、デーン人の痕跡はほとんど残っておらず、さらにアングロ・サクソン人のDNAも10~40%程度だとか。ネイティブのブリトン人は駆逐されたと言う定説は正確ではないようです。へー、と思った次第。