「アレクサンドロス大王その戦略と戦術」(パーサ・ボース)

 英語のタイトルは「ALEXANDER THE GREAT ART OF STRATEGY」なので、「戦略と戦術」という和訳はちょっと異なる気がします。アレクサンドロス大王の生涯を書いた伝記というよりは、「孫子から学ぶ経営学」みたいな本の様に、アレクサンドロスの事績と、古今東西の人物や企業の行動について関連付けて考察した本です。解説でもアレクサンドロスの伝記風の研究書はよくあるが、それは「死んだ目」で見ているもので、現在生きている我々の役に立つ様な生きた目で見た本が無いと書かれています。ちなみに発刊は2004年。約20年前ですね。その後も、確かに無い気がします。私はアレックス推しなので事績はよく知っていますが、日本人はさほどアレクサンドロスを知っていない気がします。こういった事が孫子やクラウゼビッツ、マキャベリなどとは異なっているのでしょうか。

 そんなわけで、なかなか興味深い本でした。特に、各章には最後にまとめとして、その章で記述されたことを簡潔に記してあり、リーダーとはどういう事をすればいいのか、勝つための組織とは、戦略や兵站などが分かりやすくなっています。ここだけ読んでも十分に役立つ気がします。