維新は無血革命ではなかった

 昔々。私が若かりし頃の事。友人が、明治維新は無血革命だったと言っていました。フランス革命ロシア革命の様に、元支配者が処刑されなかったから。大政奉還により平和裏に政権交代したのだと。なので、日本人は寛容だとか優れているといった議論だった気がします。多分、司馬史観?それを聞いて、いやいやと反論したのを覚えています。

 大政奉還前には、暗殺、獄死、刑死、粛清で大勢の人が死に、大政奉還後は戊辰戦争で大勢の人が死に。全然無血じゃありません。そんな反論をしたのでした。今思えば若かった。

 確かに大政奉還徳川慶喜は死んでいないし、その後も天寿を全うしています。ただそこだけ見てもしょうがない。

 名もなき人、という言葉は嫌いです。名が記録されなかった大勢の人々の死が明治維新の裏にはあるのです。なので、簡単に無血革命とは言えないと思います。

 そう思ったのは、一つには「オルクセン王国史」の第4巻を読んだこと。もう一つは、小さなウォーゲーム屋さんで「東山道戦記」というゲームを見た事。

 歴史を見るにも、空間的時間的に広い視点が必要だと思います。