「兵科記号を読む」に続き、この本を読みました。
戦況図を読むといっても、結構な分量で様々な作戦について解説しています。まあ、戦況図自体が作戦内容を記載しているのですから当然ですね。おかげで、いろいろな作戦についての勉強ができました。とはいえ、概ね現代戦が主ですが。
少しちょっとなあと思った箇所がありました。任務や命令の流れについて書かれている個所ですが、抜粋すると「民間のミリタリーゲームやシミュレーションでも」「作戦の連続性が分かるものは多くないように思える」と書かれています。ここでの「作戦の連続性」というのは、上位部門から下位部門への命令の伝達についての事です。例えば、師団からある任務の命令が旅団に対して出た場合、旅団の幕僚内でどう行動するかの方針を決め、配下の連隊へ命令の形で落とすという流れです。ウォーゲーマーとして言わせてもらえば、ゲームにおいてユニットが連隊単位だったとして、プレイヤーの立場が師団長の場合、師団→旅団→連隊(ユニット)を一人で操作するのですから、プレイヤーの頭の中で命令の流れが出来ていて、プレイヤー(=師団長)が連隊ユニットを動かしています。師団長、旅団長、連隊長が別々の人ならコマンドコントロールルールもできるでしょうけれど、ウォーゲームではそもそもそういった仕組みではありません。なので、作戦の連続性というものが表現されていないのが当然なのです。そこを非難されるのはちょっとなあと思った次第。
とはいえ、この本を読んで、なんとなく戦況図が分かるような気がしてきました。最後に戦況図の例が出ていて、なんとなく読めている気がします。
戦況図が描けるようになると面白そうです。例えばASLなんかでプレイ前に戦況図を作ってプレイ方針やセットアップを決めたり、ターンごとに次の手を戦況図を作って考えたり。まあ、対面プレイでこれをやると無茶苦茶時間がかかりそうなので無理でしょうけど。