小さなウォーゲーム屋さんで見つけたこの本。徒華新書という同人誌です。サイズも厚さも新書版。同人誌って、薄い本だけではなかったんですね。
この本のテーマは、ほとんど誰も疑いを抱かない、太平洋戦争はアメリカの物量に負けた、というのが本当かどうか考えるものです。そのために、3つの章があります。1章目は、アメリカ陸、海、空軍の統合運用について。戦域軍というのがキーワードです。2章目は、マッカーサーの幕僚について。これについては著者も書き足りない部分があると思っているようで、まだ考察の余地があるとか。3章目は、アメリカ戦車大隊について。私は太平洋戦争物でシャーマンが出るのが変だなぁと思っていたのですが、これを読んでなるほどと思ったのでした。地形的にシャーマン中戦車は運用に適さず、沖縄以前はスチュアート軽戦車の方が活躍したとか。
なかなか面白く、示唆に富む書籍でした。同人誌どころか、大手出版社から出してもいいくらい。こういう本が、もっと巷に溢れれば、アメリカの物量に負けた、などと自分たちのせいではないような事を言わなくなると思うんですが。