VASSALモジュールの使い方も分かってきたので、とりあえずお試しのプレイをしてみました。2回。
このゲームは、言わずと知れたナポレオンのマレンゴの戦いです。NAWのマレンゴマップを比較するとこんな感じです。
システムはダイスを使わない、いわゆるMAD(相互確証破壊)で、デザインノートを見ると、短時間でプレイできるように工夫したと書いてあります。実際、慣れるとサクサク進みます。
勝利条件は、どちらかの士気が0になると即座に終了。あるいは最終ターン(第16ターン)にオーストリア軍が突破ラインを3コマ以上超えていれば限定的勝利です。
士気は面白い処理をしていて、攻撃を受けて防御に成功するとプールから士気マーカーをそのエリアに置きます。で、ドンドン防御に成功すると、士気マーカーが積み重なっていきます。勝ったんで士気が上がっているんですね。しかし、そのうち防御に失敗して、そのエリアから退却すると(敵がそのエリアに入ってくると)士気マーカーが「除去」されます。プールに戻すのではありません。「除去」です。勝っていた部隊が破れて退却したのを見て、全軍の士気が喪失したという事でしょうか。「親衛隊が退却した!」という感じ?
かくして、プールとマップ上から1マーカーも無くなれば士気崩壊。ゲームエンド。両軍とも敵が隣接していないエリアの士気マーカーはプールに戻せますし、フランス軍は途中までは士気マーカーをプールに1ターンに1つ戻せます。なので、単純に防御を始めたら足を止めて殴り合う必要はありません。
さて、お試しプレイ1回目。
オーストリア軍は1ターンに4コマまでしかマップに進入できません。それを前線に送ります。一方、フランス軍は奇襲を受けたという事で、最初からマップにいる11コマは混乱状態です。この状態ですと、ロクに移動とかできません。防御戦闘はできますが。で、第1ターンは3コマ、第2ターン以降は6コマが最大で統制状態に戻せます。
オーストリア軍は、フランス軍がうまく移動できないうちに攻撃を、という事で、残りのコマの進入より攻撃に重点を置きました。
全然前進できません。上記のマップの「フランス軍阻止線」の所で渋滞しました。
で、心が折れて第9ターンで終了。主な原因は、ルールの不理解でした。1ターンにアクションができるのが3つと誤解していたのです。実は指揮ポイントが3あるのですが、道路移動とか指揮ポイントを使わないアクションもあるのです。このあたり、ルールでもう少し整理して欲しかった。アクションと指揮ポイントを縦横の表にしてあれば分りやすいと思いました。
さらに、オーストリア軍の攻撃も問題がありました。システムはMADですが、どのエリアも大抵は地形防御で戦闘力-1になります。そして、双方の戦闘力を比較して攻撃側が大きくないと勝利できません。コマの初期状態の戦闘力は2か3で、防御側が2戦闘力持っている場合、攻撃側は戦闘力3のコマを持ってきても地形防御で-1されると2対2で防御側の勝ち。つまり、攻撃側3に対して防御側1になるように(攻撃3倍の原則)しないといけません。そのためには、最初に戦闘力2の部隊を使ってMAD攻撃して防御側の戦闘力を1に落としてから戦闘力3のコマで攻撃すると言った波状攻撃が必要でした。
ちなみに、戦闘力だけ考えるとオーストリア軍は41で、フランス軍は40。MADするとオーストリア軍が1残る計算です。これを回避するのが砲兵で、砲兵は損害を受けずに相手に損害を与えられます。ただし、撃つのに2ターンかかります。移動とかを含めると4ターンに1回撃てる感じで、16ターンでは3回(第2ターンから登場)ぐらいが攻撃の目安です。双方1砲兵ずつしかありません。貴重です。
さて、気を取り直して2回目のプレイ。第11ターンの裏、フランス軍のターンです。
やっぱり抑えられているオーストリア軍。全部のコマがマップに進入していますが、大渋滞。あ、赤い丸とか青い丸が士気マーカーです。
ここで重大なミスに気が付きました。フランス軍の増援の欄に書かれている4hとか言う数字はターン数だと思っていたので、右上の増援から進入させていました。これ、午後4時という意味でした。上のマップで右側にいる3コマは午前11時の増援。・・・プレイ中断。どうせなら24時間表記にしておいて欲しかった。
増援1コマでも抑えられているオーストリア軍。戦い方に問題がありそうです。第1回目のプレイと違い、戦力が揃ってから攻撃を始めましたので、少しは進んだのですが、それでも1エリア分だけです。突破ラインなんか夢のまた夢。まだまだ検討の余地があります。
それにしても、ルールで不明瞭な部分もあります。防御行軍は行軍後にできると書いてあるのですが、騎兵の継続行軍とほとんど同じでは、とか。突撃の防御時に反撃がありますが、敵にダメージを与えるのは騎兵だけなので、騎兵の反撃とか書いてあった方がいいのでは、とか。前述したアクションと指揮ポイントの関係とか。まあ、読み込みが甘いのかもしれませんが。
とはいえ、短時間でプレイできます。やり直しはそれほど苦ではありません。
VASSALを使っていて面倒なのは、コマの回転がフリーなのでエリアの辺(アプローチという)に合わせるために回転させるのがちょっと大変。一方、実際のボード上でプレイする場合は、ステップロスしたコマの入れ替えとか、自分のターンに駒をひっくり返さないといけないとかが面倒。まあ、これはソロプレイじゃなければ相手に見えない側に表を向けていればいいのでしょうけれど。
少しずつプレイに慣れてきて、少しずつまともになってきていますので、メラスがアレッサンドリアに帰れるように頑張りたいと思います